お金持ちになるのに「頭の良さ」はいらない?──世界で600万部売れた『サイコロジー・オブ・マネー』をやさしく解説!

「お金の勉強」と聞くと、むずかしい計算や投資のテクニックを想像しませんか? でも、世界中で600万部も売れた大ベストセラー『サイコロジー・オブ・マネー』(モーガン・ハウセル著)は、まったく逆のことを教えてくれます。 「お金で成功するかどうかは、頭の良さよりも“心の持ち方”で決まる」 著者のモーガン・ハウセルさんは、アメリカの有名な金融コラムニスト。この本はウォール・ストリート・ジャーナル紙から「ここ数年で最高かつ、最も独創的なお金の本」と絶賛され、日本でも21万部を超えるヒットになっています。 この記事では、この本の大事なポイントを8つにしぼって、中学生が読んでもわかるくらいやさしい言葉でまとめました。「投資はむずかしそう」と感じている人にこそ、読んでほしい内容です。 ポイント1:清掃員が8億円を残せた理由 この本の冒頭には、ロナルド・リードさんという実在の人物が登場します。彼はガソリンスタンドの店員や清掃員として一生働いた、ごくふつうの人。高い給料をもらっていたわけでも、宝くじに当たったわけでもありません。 ところが92歳で亡くなったとき、なんと約8億円もの財産を残していたことがわかり、アメリカ中が驚きました。 秘密は特別な才能ではありません。彼がやったのは、 収入の一部をコツコツ先取りで貯蓄する それを優良企業の株に投資して、何十年もほったらかしにする たったこれだけです。 一方で本には、リチャード・ファスコーンという超エリートの金融マンも登場します。ハーバード大学出身で大企業の役員にまでなった彼は、無理な借金で豪邸を買い、リーマンショックで破産してしまいました。 学歴も知識も完璧だった人が失敗し、ふつうの清掃員が大成功した。つまり、**お金は「知識」より「行動と習慣」**で決まるのです。これが本書全体を貫くメッセージです。 ポイント2:「複利」は雪だるまと同じ この本でいちばん大事な言葉が「複利(ふくり)」です。 複利とは、増えたお金がさらにお金を生むしくみのこと。雪だるまを転がすと、大きくなるほど一回転でくっつく雪の量が増えますよね。あれとまったく同じです。 たとえば100万円が毎年10%ずつ増えるとします。1年目は110万円、2年目は121万円…と最初はじれったいほどゆっくり。でも50年続けると、なんと約1億1,700万円。100倍以上です。増え方が「たし算」ではなく「かけ算」になるのが複利のすごさです。 世界一有名な投資家ウォーレン・バフェットの財産は約10兆円ですが、そのほとんどは、じつは65歳をすぎてから増えたもの。彼のすごさは天才的な投資テクニックよりも、「10歳のころから80年以上、投資をやめなかったこと」なんです。 もしバフェットが30歳で投資を始めて60歳でやめていたら、財産は今の1%にも届かなかったと著者は計算しています。 時間こそが最強の武器。「投資を始めるのに最適な日は、いつだって今日」なのです。 ポイント3:成功には「運」もまじっている ちょっと意外なポイントがこれ。著者は「成功は実力だけでは決まらない。運の要素も大きい」とはっきり言います。 マイクロソフトを作ったビル・ゲイツは、1968年当時、世界でもほとんど例のない「コンピューターが自由に使える高校」に通っていました。100万人に1人レベルの幸運です。もちろん彼の努力と才能は本物ですが、あの環境がなければ、今のマイクロソフトはなかったかもしれません。 ここから学べる教訓は2つあります。 成功した人のマネを全部しても、同じ結果にはならない(その人の運までコピーできないから) 失敗した人を「努力不足だ」と責めすぎない(運が悪かった部分もあるから) だから、SNSで話題の「億り人」の派手な手法をマネするより、多くの人に長く当てはまる「地味だけど確実なパターン」(コツコツ積み立てて長く続ける、など)に注目したほうがいい、というわけです。 ポイント4:「もう十分」と言える人が最後に勝つ お金で失敗する人に多いパターンは、「もっと、もっと」と欲張ってしまうことです。 本書には、何百億円も持っていたのに、さらに儲けようと違法な取引に手を出して人生を台なしにした大富豪たちの話が出てきます。彼らに足りなかったのは、お金ではなく「足るを知る心」でした。 著者はこう言います。 「もう十分」と思える気持ちこそが、いちばん大切なお金の能力だ。 ゴールのないマラソンを走り続ければ、必ずどこかで倒れます。年収が上がっても、周りと比べて「まだ足りない」と感じ続ける限り、いつまでも満たされません。 そして著者は、どれだけ儲かる話でも絶対に賭けてはいけないものを3つ挙げています。「評判・自由・家族や友人」。この線引きを持っている人が、最後に勝つのです。 ポイント5:本当のお金持ちは「見えない」 高級車、ブランドものの時計、豪華な旅行の写真――。SNSにはお金持ちっぽい人があふれています。 でも著者は面白いことを言います。「高級車に乗っている人は、車にお金を使ってしまった人。本当の富は、使われずに残っているお金だから、目に見えない」。 ポイント1のリードさんを思い出してください。彼が8億円持っていると気づいた人は、生前ひとりもいませんでした。見た目はただの倹約家のおじいさんだったからです。 つまり、「お金持ちに見えること」と「お金持ちであること」は正反対とすら言えるのです。同僚の新車や知人のタワマン暮らしがうらやましくなったときは、この言葉を思い出してみてください。 ポイント6:貯蓄は「自由」を買うためのもの 「なんのために貯蓄するの?」と聞かれたら、この本の答えはシンプルです。 自由を買うため。 お金があると、 嫌な仕事を「嫌だ」と断れる 病気や失業などのトラブルがあってもあわてない 自分の好きなことに、好きなタイミングで時間を使える つまり、貯蓄とは「自分の時間を自分でコントロールする力」を手に入れることです。 著者によると、幸福度を大きく左右するのは収入の高さそのものより、「自分の生活を自分で決められている感覚」なのだそうです。高級車やブランド品よりも、じつはこれがいちばんの贅沢だと著者は言います。 そしてもうひとつ大事なのが、「理由がなくても貯蓄していい」ということ。「マイホームのため」「老後のため」と目的がなくても、貯蓄そのものが未来の選択肢を増やしてくれるからです。転職したくなったとき、家族に何かあったとき、面白いチャンスが目の前に現れたとき――手元にお金がある人だけが、自分の意志で動けます。 ポイント7:未来は予想できない。だから「余裕」を持とう 天気予報だって外れるのに、何年も先の経済を正確に予想できる人はいません。リーマンショックも、コロナショックも、ほとんどの専門家は予想できませんでした。 だからこそ大事なのが「余裕(よゆう)を持つこと」。本書では「誤りの余地(room for error)」と呼ばれています。 生活費の全部を投資に回さず、現金も残しておく 「予想が外れても大丈夫」な家計の計画を立てる 「これくらい増えるはず」というリターンの見積もりは、少し低めにしておく 車のシートベルトと同じです。事故が起きると思って乗る人はいないけれど、万が一のために必ずつける。お金も同じ考え方で守るのです。 「余裕なんてもったいない」と思うかもしれませんが、余裕があるからこそ、大暴落が来ても投資をやめずに続けられる。つまり余裕は、ポイント2の複利を最後まで働かせるための「保険」でもあるのです。 ポイント8:完璧な正解より「続けられる方法」を選ぶ 最後は、著者のいちばん現実的なアドバイスです。 数学的にいちばん正しい方法があっても、途中でやめてしまったら意味がない。それより、多少ゆるくても「自分が安心して続けられる方法」のほうが、結果的にうまくいく――著者はこれを「合理的(rational)であるより、理にかなっている(reasonable)ほうがいい」と表現します。 ダイエットに例えるとわかりやすいです。栄養学的に完璧でも味気ない食事メニューは、たいてい三日坊主で終わります。それより、少しゆるくても続けられるメニューのほうが、1年後には確実にやせている。資産づくりもまったく同じです。 たとえば、理論上いちばん効率的な投資配分でも、暴落のたびに不安で眠れなくなって売ってしまうなら、その人には向いていません。それより、現金を多めに残した「ゆるい配分」で、どんな相場でも淡々と積み立てを続けられるほうが、長い目で見れば資産は育ちます。 ...

August 8, 2026

「1億円ためないと自由になれない」って本当?──『「パラレルインカム」のはじめ方』をやさしく解説!

「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」という言葉を聞いて、こう思ったことはありませんか? 「1億円ためて仕事を辞める? そんなの、自分には無理だ」 たしかに、よくあるFIRE本のゴールはかなり遠い場所にあります。でも、この『「パラレルインカム」のはじめ方』が教えてくれるのは、「仕事は辞めない。それでも自由になる」という第三の道です。表紙にも「年収300万円からできる進化版FIRE」と書かれています。 今回は、この本の考え方を、むずかしい言葉をできるだけ使わずに解説します。投資の知識がゼロでも、最後まで読めば「自分は次に何をすればいいのか」がはっきりするはずです。 著者はどんな人? 著者は泉正人(いずみ・まさと)さん。累計64万人が学んだといわれるマネースクール「ファイナンシャルアカデミー」の代表です。監修も同アカデミーが担当しています。 自分自身が会社を立ち上げ、気づけば「パラレルインカム」を実践していた——という体験がベースになっているので、机上の空論ではなく、実際に歩いた道の話として読めるのが特徴です。 ポイント1:「お金のなる木」を2本持つ パラレルインカムとは、直訳すると「収入の複線化」。会社の給料という1本の線と並べて、もう1本の収入の線を通す、という意味です。 大事なのは、その2本目が「アルバイト」ではないということ。 労働所得(働いて得るお金) + 資産所得(働かなくても入ってくるお金) これがパラレルインカムの正体です。本書では、これを「お金のなる木を2本持つ」と表現しています。1本目は自分で水をやり続ける木、2本目は勝手に実をつけてくれる木、というイメージです。 副業をもう1つ増やすのは、水やりする木を増やすのと同じ。収入は増えても、時間はどんどん減っていきます。目指すのは、そこではありません。「休んでも止まらない流れ」を1本つくることが、この本の出発点です。 ポイント2:FIREとのいちばん大きな違いは「仕事を辞めないこと」 FIREは「早期リタイア」、つまり仕事を辞めるのがゴールです。でも著者は、そこに疑問を投げかけます。 辞めたあと、時間を持て余してしまう人が意外と多いからです。 パラレルインカムでは、仕事は続けます。ただし、お金のためだけにイヤイヤ続ける仕事ではなく、「好きだからやる仕事」に変えていく。ここが決定的な違いです。 学校でも会社でも、「やらされている作業」と「自分で選んだ活動」では、同じ時間でも疲れ方がまるで違いますよね。パラレルインカムが目指すのは、後者の状態です。 さらに、仕事を続けることには現実的なメリットもあります。収入の柱が2本あれば、片方が不調でも生活は崩れません。株価が下がった年も給料は入るし、病気や転職で働けない時期があっても資産所得が支えてくれる。辞めないという選択は、安全装置でもあるのです。 ポイント3:ゴールは「1億円」ではなく「生活費 < 資産所得」 この本のゴールラインは、とてもシンプルです。 毎月の生活費を、資産所得が上回ること たとえば生活費が月20万円なら、資産所得が月20万円をこえた瞬間、あなたは「働かなくても生きていける状態」になります。そこから先の労働は、生活のためではなく、やりたいからやる労働に変わります。 「1億円」という数字を目標にすると気が遠くなりますが、「月20万円」なら、まだ手が届きそうに感じませんか。ゴールの置き方を変えるだけで、道のりの見え方は変わります。 しかも、このゴールにはもう1つの近づき方があります。それは、生活費のほうを下げること。生活費が月30万円の人と月18万円の人では、必要な資産所得がまったく違います。支出を見直すことは、我慢ではなくゴールラインを自分のほうへ引き寄せる作業なのです。 ポイント4:順番をまちがえない「4つのステップ」 本書は、実現までの道のりを4つの段階に分けています。 労働所得を増やす 資産構築をする(増えた分をためて、元手をつくる) 資産所得をつくる(元手を働かせる) 仕事でも自己実現を達成する ここで大事なのは、順番を飛ばさないことです。 いきなりステップ3から始めようとする人は、とても多い。でも元手がない状態で資産所得だけを追いかけるのは、練習せずに試合に出るようなものです。まずは本業の収入を上げ、支出をコントロールして、種を確保する。地味ですが、ここが土台になります。 ポイント5:「お金の7か条」から学ぶ、日常の習慣 本書の第2章には、暮らしの中で効いてくる7つの心がまえがまとめられています。特に取り入れやすいのが、この2つです。 ① 欲しいものを買う前に、お金を迂回させる 給料が入ったら、使う前に一部を別の場所へ「迂回」させる。いわゆる先取り貯蓄です。残ったお金で暮らす仕組みにすれば、意志の強さに頼らなくてすみます。 ② 資産運用は「自転車の運転」と考える 自転車は、本を読んだだけでは乗れません。最初は転びます。でも一度乗れるようになれば、一生忘れない。運用も同じで、小さく始めて体で覚えるものだ、という考え方です。 7か条にはほかにも、「お金に働いてもらうことをポジティブにとらえる」「投資の本当のリスクを知り、コントロールする」といった項目が並びます。リスクはゼロにするものではなく、正体を知って手なずけるもの——この姿勢が本書全体を貫いています。 ポイント6:「失敗から学ぶ」より「成功から学ぶ」 「失敗は成功のもと」とよく言われますが、著者の考え方は少しちがいます。 失敗を避けるノウハウと、成功するノウハウは、別物だからです。 失敗をいくら分析しても、それは「やってはいけないこと」のリストが増えるだけ。実際にうまくいっている人のやり方を聞いて、まねをするほうがずっと近道だ、と本書は言います。 部活でも、ケガの原因を研究するより、うまい先輩のフォームを見よう見まねでコピーするほうが上達が早い——そんな感覚に近いかもしれません。ただし、まねる相手は自分が行きたい場所に実際にたどり着いた人を選ぶこと。SNSにあふれる成功談を見分ける目だけは、自分で育てる必要があります。 ポイント7:「FIREの5倍ラク」の根拠と、その注意点 本書のタイトルにもなっている「進化版FIRE」。著者はパラレルインカムを「FIREの5倍ラク」と表現します。 その根拠が、この対比です。 年400万円を得るために必要な元手 FIREの「4%ルール」 1億円 不動産の「20%ルール」 2,000万円 金額が5分の1になるから「5倍ラク」というわけです。本書が資産所得の手段として不動産投資をすすめているのは、この効率の良さが理由です。 ただし、ここは正直に書いておきます。この計算は、借入(ローン)を使うことが前提です。空室、修繕、災害、金利の上昇といったリスクもあり、株式のインデックス投資とくらべて、必要な知識と手間は明らかに多くなります。 「5倍ラク」は「5倍かんたん」ではない。この点については、記事の後半で、実際に賃貸経営をしている立場から詳しくお話しします。 ポイント8:最後に手に入るのは「5つの自由」 では、これだけの手間をかけて、何が手に入るのか。本書は5つを挙げています。 ...

August 6, 2026

「いくらまで使っていいか」の正解は人によって違う?──『THE WEALTH LADDER 富の階段』をやさしく要約

「まずは家計簿をつけて節約しなさい」 「いや、節約より投資でしょう」 「そんなことより起業して収入を増やすべきだ」 お金のアドバイスは、なぜこんなに食い違うのでしょうか。じつは、どれも間違ってはいません。アドバイスが矛盾して見えるのは、話し手が想定している「資産のレベル」がバラバラだからです。 この本は、その混乱をきれいに整理してくれます。ここでは中学生が読んでもわかるくらいやさしい言葉で、要点をまとめていきます。 著者はニック・マジューリさん。アメリカの資産運用会社リソルツ・ウェルス・マネジメントの最高執行責任者(COO)であり、データサイエンティストでもあります。人気ブログ「OfDollarsAndData.com」の書き手で、前作『JUST KEEP BUYING』は日本でも大ヒットしました。前作が「何にいつ投資するか」という戦術の本だったのに対し、本書は一歩引いて「そもそも今の自分に必要な戦略は何か」を問う戦略の本です。土台になっているのは、50年以上・数万世帯分の金融データ。感覚論ではなく数字から導かれた結論なので、説得力があります。 ポイント1:富は「坂道」ではなく「階段」でできている まず著者が言う「富」とは、純資産のことです。持っている財産(現金・投資・不動産など)から、借金(住宅ローン・奨学金・カードの残債など)を引いた金額。年収ではありません。 そして富は、なだらかな坂道のように少しずつ生活が楽になるものではなく、あるラインを超えた瞬間に景色が変わる「階段」だといいます。本書はこれを6段に分けました(1万ドル=約150万円で換算)。 レベル1:資産150万円未満 ── 生存戦略 レベル2:150万円〜1,500万円未満 ── 教育&スキル戦略 レベル3:1,500万円〜1億5,000万円未満 ── 投資戦略 レベル4:1億5,000万円〜15億円未満 ── 起業戦略 レベル5:15億円〜150億円未満 ── 事業拡大戦略 レベル6:150億円以上 ── 資産防衛戦略 ゲームでいえば、レベル1の装備でラスボスに挑んでも勝てないのと同じです。今の自分の段に合った戦い方がある。それが本書の出発点です。 ポイント2:使っていい金額がわかる「0.01%ルール」 本書でいちばん有名なのが0.01%ルール。資産の0.01%(1万分の1)までなら、毎日使っても資産全体はほとんど揺らがない、という考え方です。 資産150万円の人にとっての150円は、資産1,500万円の人にとっての1,500円と同じ重さ。 これをレベル別に見ると、こうなります。 レベル1 ── 余裕なし(数十円〜149円) レベル2 ── スーパーの自由(150〜1,499円) レベル3 ── レストランの自由(1,500〜1万4,999円) レベル4 ── 旅行の自由(1万5,000円〜) たとえばレベル2の人なら、スーパーで250円の卵と350円の卵で悩む必要はもうありません。その100円は資産の0.001%以下で、人生に影響しないからです。逆に、うなぎ屋で3,000円の並と4,500円の特上を迷うなら話は別。この1,500円が「気にしなくていい額」になるのは、資産1,500万円を超えてからです。 節約すべき場面と、堂々とお金を使っていい場面が、数字で線引きされる。ここが痛快なところです。 ポイント3:「収入」ではなく「資産」を基準に使う 多くの人は年収を基準に生活水準を決めます。年収500万円だから特上を頼んでもいい、という発想です。でも著者は、それが落とし穴だと言います。 収入は気まぐれなもの。明日、失われるかもしれない。 会社の業績、病気、部署の廃止──収入は自分では選べません。土台のしっかりしたほうを基準にすれば、生活は崩れにくくなります。 ただし注意点もあります。0.01%ルールが成り立つのは、生活費を収入でまかなえている場合だけ。資産720万円の人が失業したら、1日720円で暮らすことはできません。「資産で使い方を決め、収入で生活を支える」。この二本立てが前提です。 ポイント4:挑戦するかどうかは「1%ルール」で決める 転職しようか、副業を始めようか、資格を取ろうか。迷ったときの物差しが1%ルールです。 その挑戦が資産を1%以上増やす可能性があるなら、やる価値がある。届かないなら、時間と労力を別のことに使う。 レベル1(資産1%=1.5万円)── 時給の仕事、節約が効く レベル2(同15万円)── スキルを磨いて単価を上げる レベル3(同150万円)── 昇進、副業、投資が効いてくる レベル4(同1,500万円)── 起業や大きな挑戦 面白いのは、同じ行動でも資産レベルによって「割に合うかどうか」が変わるという点です。レベル1の人にとって1日100円の節約(年3万円)は、100万円を年3%で運用するのと同じ威力があります。でもレベル3の人が同じ節約に神経をすり減らすのは、時間の使い方としてもったいない。部活で言えば、基礎練が必要な時期と、試合勘を磨くべき時期が違うようなものです。 ...

August 4, 2026

「安くなってから買おう」は、なぜ損なのか?──世界的ベストセラー『JUST KEEP BUYING』をやさしく解説!

株価が下がるニュースを見ると「もう少し待ってから買おう」と思い、上がると「今さら買うのは高いかな」と思う。そうやって迷っているうちに、結局なにもしないまま1年が過ぎた……。そんな経験はありませんか? 今回紹介する『JUST KEEP BUYING(ジャスト・キープ・バイイング)』は、そのモヤモヤに100年以上のデータで答えを出してくれる一冊です。タイトルを直訳すると「ただ買い続けなさい」。じつにシンプルですが、この6文字の裏には、驚くほど納得できる理由があります。 著者のニック・マジューリさんは、アメリカの資産運用会社リソルツ・ウェルス・マネジメントの最高執行責任者であり、データサイエンティストでもある人物。「なんとなくそう思う」ではなく、「データで調べたらこうだった」と語ってくれるのが本書の最大の魅力です。 この記事では、本書の要点を中学生が読んでもわかるくらいやさしくまとめました。むずかしい専門用語は使いません。それでは、さっそく見ていきましょう。 1. 「貯金」と「投資」、どっちを頑張るべき? お金の本を読むと、「まず節約しろ」と言う本と「早く投資しろ」と言う本があって混乱しますよね。本書の答えは明快で、どちらを頑張るべきかは、あなたの今の状況で変わるというものです。 判断のしかたはシンプル。「1年でいくら貯められるか」と「今持っている資産が1年でどれくらい増えそうか」を比べるだけ。 貯められる額のほうが大きいなら「貯金」に、資産が生む額のほうが大きいなら「投資」に力を入れる。 たとえば貯金が30万円しかない人が、投資のリターンを1%上げようと必死に勉強しても、増えるのは年3,000円。それより残業や副業で月1万円多く稼ぐほうが、はるかに効果的です。逆に資産が3,000万円ある人が100円の節約に神経をすり減らすのは、時間の使い方としてもったいない。同じ努力でも、効く場所は人によって違うのです。 2. 「収入の2割を貯金」に縛られなくていい 「手取りの20%は貯金しましょう」というアドバイスをよく聞きます。でも本書は、この手の万人共通のルールを疑います。理由は単純で、収入も家族構成も家賃も、人によってまったく違うからです。 大切なのは、他人が決めた数字ではなく自分が無理なく貯められる額を知ること。計算式もこれ以上ないほど簡単です。 貯められる額 = 収入 - 支出 部活の練習量と同じで、先輩と同じメニューをこなす必要はありません。自分の体力に合った量を、ケガをせずに続けることのほうが結果につながります。貯金も「ゼロでない限り、まずは合格」。少額でも仕組みにしてしまえば、あとは時間が働いてくれます。 ただし、投資を始める前にひとつだけ用意しておきたいのが生活費3〜6か月分の緊急資金です。この現金がないと、急な出費のときに、いちばん売りたくないタイミングで投資を取り崩すことになります。ゲームで言えば回復アイテムを持たずにボス戦へ行くようなもの。守りを固めてから攻める順番が大切です。 3. 節約でがんばるより、収入を増やすほうが強い 支出を削る努力には、必ず限界があります。家賃も食費もゼロにはできないからです。一方で、収入には上限がありません。だから本書は、節約より収入アップに時間を使うことをすすめます。 そのために有効なのが自分への投資。スキルを身につける、資格を取る、経験を積む。人的資本という「自分という資産」を大きくすれば、そこから生まれるお金は一生ものです。 さらに著者は、稼いだお金の使い道として「収入を生む資産を買う」ことを重視します。株式やインデックスファンドは、持っているだけで企業の稼ぎを分けてくれる存在。給料という「自分が働いて得るお金」と、資産という「お金が働いて得るお金」。この2つのエンジンを回すのが、資産形成の王道だというわけです。 4. 昇給したら、生活レベルはどこまで上げていい? 給料が上がったとき、生活をまったく変えないのはつらいものです。かといって全部使えば、お金は永遠に貯まりません。そこで本書が提案するのが、「昇給額の50%ルール」。 増えた収入の半分は使っていい。残りの半分は貯金・投資に回す。 月給が2万円増えたら、1万円は好きに使い、1万円は積立に上乗せする。これなら「頑張ったご褒美」も感じられて、貯蓄率も自然に上がります。ガマンだけの計画は、ダイエットと同じでいつか反動が来ます。続けられるルールこそが最強なのです。 5. 罪悪感なくお金を使う「2倍ルール」 お金の勉強をすると、逆に使うことが怖くなる人がいます。3,000円の服を買うだけで「投資に回すべきでは」と悩んでしまう。これは楽しくありません。 そこで登場するのが2倍ルール。ぜいたくをしたくなったら、同じ金額を投資に回すと決めるのです。1万円の食事に行くなら、1万円を積立に入れる。そこまでして欲しいかを考える判断基準にもなりますし、実行すれば「未来の自分にも同額を渡した」ことになるので、堂々と楽しめます。 お金は使うためにあります。貯めることが目的になってしまうと、何のための資産形成かわからなくなってしまいます。 6. 「安くなるまで待つ」は、神様でも勝てない ここが本書のいちばん有名なパートです。著者は膨大なデータで、2つの方法を比べました。 ひとつは毎月コツコツ買い続ける方法(ドルコスト平均法)。もうひとつは、現金をためておいて暴落したときにまとめて買う方法。しかも後者は「いつが底値かを完璧に言い当てられる」という、神様レベルの反則的な条件をつけての比較です。 結果はどうだったか。多くの期間で、コツコツ買い続けたほうが勝ちました。理由は、待っている間に市場が上がってしまうから。底を待つ人は、上昇分をまるごと取り逃がすのです。 未来を完璧に予測できる神でさえ、待っていては買い続ける人に勝てない。 未来が読めない私たちが、タイミングを当てられるはずがありません。だから答えは、とにかく買い続ける。これがタイトルの意味です。 同じ理由で、まとまったお金が手に入ったときも「様子を見ながら」より早く市場に入れたほうが有利になりやすいとデータは示しています。大事なのは、買わない期間をつくらないことです。 7. 暴落は「入場料」。こわい時こそ買い続ける とはいえ、買い続けるのは口で言うほど簡単ではありません。相場が3割下がり、SNSに悲観的な言葉があふれる時期は必ずやってきます。 本書はその下落を、「リターンを得るために払う入場料」だと表現します。遊園地に入るのにチケット代がいるように、株式の高いリターンには「値動きに耐える」という代金がついている。無料で乗れるアトラクションはないのです。 だからこそおすすめされるのが、自動積立という仕組み。毎月決まった日に自動で買い付ける設定にしておけば、こわくても、忙しくても、機械が淡々と実行してくれます。意志の力に頼らないことが、感情に負けないための最善策です。 そして買う対象は、当てにいく個別株より世界中に分散されたインデックスファンド。プロでも市場平均に勝ち続けるのは至難の業だと、データがはっきり示しています。 8. いちばん大切な資産は、増やせない「時間」 最後に本書が語るのは、お金の話ではありません。時間の話です。 お金は減っても取り戻せます。しかし時間だけは、どんな大富豪でも買い戻せません。だから著者は、お金は時間を取り戻すために使えと言います。時短家電を買う、通勤の短い家に住む、人に頼む。それは浪費ではなく、人生でいちばん貴重な資産への投資です。 資産を増やす目的は、数字を大きくすることではなく、自分の時間を自由にすること。 では、その自由はいくらあれば手に入るのか。本書が紹介するのが有名な「4%ルール」です。資産の4%を毎年取り崩す前提なら、必要な金額は1年の生活費の25倍。年間300万円で暮らすなら7,500万円が目安、という具合に、ぼんやりした不安が「数字」に変わります。 なお「いつ売るのか」についても本書は答えを示しています。売っていいのは、資産の偏りを直すとき、一つの銘柄に集中しすぎているとき、そして人生の目的のためにお金を使うとき。値動きが不安だから売る、は理由になりません。 そして本書は、資産が増えても幸福感がすぐには追いつかない理由にも触れています。だからこそ、遠い将来の目標だけを見つめて今を犠牲にしないこと。今日を楽しみながら、淡々と買い続ける。これが著者の伝えたい姿だと感じました。 私にとっての『JUST KEEP BUYING』 最後に、少しだけ個人的な話をさせてください。 ...

August 4, 2026

なぜ、同じ収入でも「貯まる人」と「貯まらない人」がいるの?──100年読み継がれる名著『バビロンの大富豪』を中学生にもわかるように解説!

毎月まじめに働いているのに、なぜかお金が残らない。かたや、同じくらいの収入なのに、しっかりお金を増やしていく人もいる――。この違いは、いったいどこから生まれるのでしょうか? じつはその答えは、いまから約100年前、いえ、物語の舞台までさかのぼれば数千年前から、まったく変わっていません。 今回紹介するのは、世界中で読み継がれるお金の古典『バビロンの大富豪』(原題 The Richest Man in Babylon)。著者は、アメリカの実業家ジョージ・S・クレイソンさんです。1926年に発表されたこの本は、古代都市バビロンを舞台にした「物語」のかたちで、お金を貯め・守り・増やすための原理原則を教えてくれます。 物語には、いくら働いてもお金がたまらないと嘆く馬車職人や竪琴弾きが登場します。彼らが大富豪アルカドのもとをたずね、富の秘密を教わっていく――そんな親しみやすいストーリー仕立てなので、お金の本が苦手な人でもすっと入っていけます。 むずかしい専門用語はほとんど出てきません。中学生が読んでもわかるくらいやさしいのに、大人が一生使えるお金の知恵がぎっしりつまっている――それが、この本が100年も愛され続ける理由です。今日はその中身を、8つのポイントにしぼってやさしく解説していきます! ① まずは「収入の10分の1」を自分のために取っておく バビロン一のお金持ち・アルカドが、いちばん最初に教えたルールはこれです。 稼いだお金のうち、少なくとも10分の1は、自分のために取っておきなさい。 給料が入ったら、10枚のうち9枚で暮らし、残りの1枚は「なかったもの」として貯金にまわす。たったこれだけです。 ポイントは、余ったら貯めるのではなく、先に貯めること。ゲームでいえば、冒険に出る前にまずセーブしておくようなものです。残ったお金で生活する――この順番にするだけで、財布は少しずつ、でも確実に太っていきます。 「たった10分の1で何が変わるの?」と思うかもしれません。でもアルカドは言います。少しずつでも貯め始めた人の財布には、不思議とお金が流れ込んでくるようになる、と。 おもしろいのは、10分の1を抜いても暮らし向きはほとんど変わらないという点です。人は手元にあるお金を、あればあるだけ使ってしまうもの。だからこそ、最初にひとつまみ取り分けておくだけで、生活の質を落とさずに、着実に資産の芽を育てられるのです。 ② 「必要な出費」と「ただ欲しいだけの出費」を分ける 貯金を始めると、多くの人がこう思います。「10分の1を抜いたら、生活が苦しくなるのでは?」 でも本書はきっぱり言います。欲しいものと、必要なものは、まったくの別物だと。 人の欲望には限りがありません。収入が増えれば、欲しいものも同じだけ増えていく。だから、いくら稼いでも「使いたい欲」に追いつかれてしまうのです。 そこで大事になるのが「予算を立てる」こと。使ってもいい金額をあらかじめ決めておけば、気まぐれな衝動買いにブレーキがかかります。使っていないサブスクや、なんとなく続けている固定費を見直すだけでも、意外と削れるお金は見つかるものです。 ③ 貯めたお金を「働かせる」――お金にもうひとり働いてもらう お金をただ金庫に眠らせておくのは、じつはもったいないこと。本書は、貯めたお金をさらにお金を生む「種」として使いなさいと教えます。 貯めた黄金を働かせれば、それがまた新しい黄金を連れてくる。 これは、畑にまいた1粒の種が、やがて何十粒もの実をつけるのと同じ。お金がお金を呼び、その増えたお金がまた次のお金を呼ぶ。雪だるまが転がるほど大きくなるように、時間を味方につければ、資産はふくらんでいきます。 大事なのは、少額でもいいから「働く場所」にお金を置いてみること。早く始めた人ほど、この雪だるまを大きく育てられます。 本書がすごいのは、この「お金に働いてもらう」という発想を、数千年前の物語の中ですでに語っていること。自分の体は一日24時間しか働けませんが、お金には休みも眠りもありません。あなたが寝ている間も、遊んでいる間も、こつこつと働き続けてくれる――そんなもうひとりの働き手を持てるかどうかが、大きな分かれ道になります。 ④ 大切なお金を「守る」――わからないものには手を出さない お金は、増やすことよりも失わないことのほうがずっと大切です。100かけて増やしても、1回の大失敗でゼロになっては意味がありません。 本書には「黄金の五つの法則」という教えがあり、その中でくり返し警告されるのがこれです。 黄金は、自分がよく知らないものに投資する人から、逃げていく。 SNSやネットで見かける「絶対もうかる」「今だけ」という甘い話ほど、あやしいもの。よく知らないゲームにいきなり大金を課金しないのと同じで、中身が理解できないものには近づかない。これが、お金を守るいちばんの盾になります。 本書には、大金を持ちながらだまされて全財産を失ってしまう人の話も出てきます。共通しているのは、「早く増やしたい」というあせりにつけこまれた点です。判断に迷ったら、その道にくわしい信頼できる人の意見を聞くこと。そして、うますぎる話は「何かおかしい」と一歩引いて考えること。守りを固めてこそ、増やす攻めが生きてきます。 ⑤ 自分の「稼ぐ力」こそ、最大の資本 お金を貯めて、増やして、守る。それも大事ですが、本書はもうひとつ、意外な資産に目を向けさせます。それは――あなた自身です。 稼ぐ力を高めることは、いちばん確実な投資である。 同じ仕事でも、スキルや知識が上がれば、もらえる報酬も上がっていきます。これは、ゲームでレベルを上げると強い装備が手に入るのと似ています。本を読む、勉強する、経験を積む。こうした自己投資は、一度身につけば一生あなたから離れません。 学校でも会社でも、学び続ける人のところに、お金を稼ぐチャンスは集まってくるのです。 しかも、この「稼ぐ力」は不景気にも強いのが特長です。株や不動産の値段は下がることがありますが、あなたが身につけた知識やスキルは、値下がりしません。自分という資本を育てることは、どんな時代でも裏切らない、いちばん確実な投資なのです。 ⑥ 「未来の自分」に、いまから仕送りをしておく 若いうちや元気なうちは、なかなか実感がわかないもの。でも本書は、将来の自分と家族のために、いまから準備しておくことの大切さを説きます。 たとえば、家賃を払い続けるかわりに自分の住まいを持つこと。あるいは、年をとって働けなくなったときのために、少しずつ備えを積み上げておくこと。 これは、遠くにいる「未来の自分」へ、毎月少しずつ仕送りをしておくようなイメージです。いまの自分がほんの少しがまんするだけで、未来の自分がずっと楽になる。金額の大きさよりも「続けること」が大切で、その積み重ねが、安心できる暮らしの土台になります。備えがある人は、心にも余裕が生まれます。 ⑦ 借金は「返せる計画」でコツコツ片づける 本書には、借金まみれだったラクダ商人・ダバシールが、見事に立ち直る物語が出てきます。そのカギになったのが、シンプルなお金の配分ルールでした。 収入の10分の7で暮らし、10分の2で借金を返し、10分の1を自分のために貯める。 ポイントは、借金を返しながらも貯金をやめなかったこと。返済だけに追われると心が折れてしまいますが、少しでも自分のお金が増えていくと、前を向いて続けられます。 借金は、あわてて一気に返そうとしなくて大丈夫。返せる計画を立てて、一歩ずつ。地味ですが、これがいちばん確実な脱出法です。 ⑧ 「幸運」は、行動して備えた人のところにやってくる 最後に、この本がくり返し伝える大切なメッセージです。 幸運の女神は、行動する人に微笑む。 ...

August 2, 2026

野球少年の帽子、どう洗ってる?「キャップウォッシャー」で泥汗まみれのキャップを型崩れなしで丸洗いしてみた

我が家には野球をしている息子たちがいます。練習に試合に、毎日のように帽子をかぶって走り回るわけですが……この帽子、とにかく汚れる。そんな野球帽の悩みを解決してくれたアイテムを、今日は紹介します。 野球をやる子どもの帽子、想像以上に汚れます 汗でびっしょり。夏場なんて、練習から帰ってくると内側が真っ白に塩を吹いていることも。 土やホコリまみれ。ヘッドスライディングや守備で転がれば、あっという間にドロだらけ。 ニオイも気になる。汗と皮脂が染み込んで、正直かなりのもの。 しかも兄弟そろって野球をやっていると、洗いたい帽子が何個もたまっていく。これを一つひとつ手洗いするのは、正直かなりの重労働です。 かといって、そのまま洗濯機に放り込むと——丸いフォルムがつぶれて型崩れしてしまうのが心配。せっかくのお気に入りの帽子が、ヨレヨレになってしまっては元も子もありません。 「気軽に、でも型崩れさせずに洗いたい」。そんな思いで購入したのが、今回紹介するキャップ専用の洗濯アイテム「キャップウォッシャー」です。 「キャップウォッシャー」ってどんな商品? 一言でいうと、キャップを型崩れさせずに洗濯機で丸洗いできる、専用ホルダー&洗濯ネットのセットです。 やわらかいPPプラスチックのフレームでキャップをしっかり包み込み、洗濯中の水流や他の衣類からの圧力から、丸いフォルムを守ってくれる仕組み。上下ふたつのカゴでキャップをはさむ「シェル型」の構造になっているのが特徴です。 これなら、泥汗まみれの野球帽も安心して洗濯機に入れられそう。 3つのうれしいポイント ① やわらかPPプラスチック フレームは硬すぎず、しなやかな素材。帽子の生地を傷つけにくく、セットもスムーズです。 ② 型崩れ防止 洗濯機のなかで帽子が押しつぶされたり、他の洗濯物にもまれたりするのを防いでくれます。丸いシルエットをキープしたまま洗えるのが最大の魅力。 ③ 洗濯機で丸洗いOK 手洗いいらず。セットしてネットに入れたら、あとは洗濯機におまかせ。子どもの帽子を何個もまとめてケアしたい親にこそ、うれしい手軽さです。 スペック・基本情報 項目 内容 品名 キャップウォッシャー 材質 PPプラスチック 重さ(約) 100g(本体)/50g(洗濯ネット) サイズ(約) 高さ14cm × 長さ35cm × 奥行23cm カラー ブラック/ホワイト 原産国 中国(MADE IN CHINA) 軽量なので、洗濯機に入れても負担になりにくいのがうれしいところ。カラーはブラックとホワイトの2色展開なので、お好みや目的に合わせて選べます。 使い方はたったの4ステップ 実際の使い方はとってもシンプル。子どもでも手伝えるくらい簡単にセットできます。 STEP 1|前後左右にある四つのバックルを外す まずは上下のカゴを分けるところからスタート。 STEP 2|帽子を下半分にセットし、上半分を被せる 下のカゴに帽子を置いたら、上のカゴをかぶせてサンドイッチのように包みます。 STEP 3|四つのバックルを挟む 外した4か所のバックルを、パチッとはめ直して固定。これで帽子がしっかりホールドされます。 STEP 4|洗濯ネットに入れて完了 付属の洗濯ネットにすっぽり入れたら準備OK。あとは洗濯機を回すだけ! 実際に息子たちの帽子で使ってみた正直レビュー 👍 よかった点 型崩れが本当にしない。洗濯後もツバとフォルムがしっかりキープされていて感心しました。 汗ジミ・泥汚れがしっかり落ちた。気になっていた汚れがスッキリ。 セットが簡単。慣れれば1分もかからず、子ども自身にも準備を手伝ってもらえました。 🤔 気になった点 子ども用の帽子はフレームに対して少し小さめ。サイズ調整ができる帽子の場合は、かぶり口(後ろのアジャスター)を大きめに広げてからセットすると、フレームにうまくフィットして安定します。 泥汚れがひどいときは、洗濯前の下洗いがおすすめ。あらかじめ軽く下洗いしておくと、より効果的に汚れが落ちます。 こんな家庭・こんな人におすすめ 野球やサッカーなど、スポーツをする子どもの帽子を清潔に保ちたい家庭 兄弟・姉妹で洗いたい帽子が何個もたまりがちな家庭 手洗いが面倒で、つい帽子の洗濯を後回しにしてしまう人 お気に入りのキャップを型崩れさせたくないすべての人 まとめ|野球少年の帽子ケアがぐっとラクになる名脇役 これまで「型崩れが怖くて洗えなかった」「手洗いが面倒でつい放置していた」息子たちの野球帽も、キャップウォッシャーがあれば洗濯機でサッと丸洗いできるようになりました。 ...

July 27, 2026

6大固定費の見直し──保険の整理

お金と僕の12年戦争・第5話 「投資は投資、保険は保険」。頭ではわかっていた。でも行動に移すまでに、じつに4年かかった。 まず「棚卸し」から始めた 『お金の大学』を読んでから最初にやったことのひとつが、我が家の保険を全部並べてみることでした。保険証券をかき集め、「何に、いくら払っているのか」を一覧にしてみる。そうしないと、そもそも何を見直すかが決まりません。 出てきたのは、大きくふたつ。 保険名 種別 契約日 保険期間 積立利率変動型終身保険(米国通貨建) 一時払い終身 2011年6月1日 終身 スーパーがん保険 終身がん保険 1994年7月1日 終身 ここに火災保険(個人賠償責任特約付き)が加わりますが、主な見直し対象はこの2本でした。 ❶ スーパーがん保険──現在も継続中 1994年7月、30年以上前に契約した保険です。 項目 内容 月額保険料 1,270円 契約開始 1994年7月1日 2026年5月時点の解約払戻金 397,800円 損益を数字で整理してみた 2026年5月現在で31年10か月、約382か月払い続けているとすると、総払込保険料は次のようになります。 総払込保険料(概算):約48.5万円 解約払戻金:約39.8万円 差額(実質コスト):約8.7万円 年間換算コスト:約2,700円 31年以上にわたってがんの保障を持ち続けて、実質コストは年間約2,700円。純粋な「保険料の損得」という視点で見れば、かなり健闘している契約だと思います。 1990年代の保険には「予定利率が高い」「同条件では今入りづらい」という特徴があります。月1,270円という保険料は、今の水準から見ると破格といっていいかもしれません。 もちろん「解約して約40万円を受け取る」という選択もあります。ただ、保険として機能しながらこの戻り率なら、貯蓄商品としては平凡でも、保険商品としての役割は十分に果たしている。そう判断して、現在も継続中です。 ❷ ドル建て終身保険──4年越しの決断 問題はこちらでした。 項目 内容 商品名 積立利率変動型終身保険(米国通貨建) 契約日 2011年6月1日 一時払い保険料 3,467,109円 契約時為替レート 81.18円/米ドル 保険金額 50,000米ドル 2020年──解約できなかった 『お金の大学』を読んで、このドル建て終身保険が「見直し対象」であることはすぐにわかりました。投資と保険を一緒に詰め込んだ商品。両学長がYouTubeでも繰り返し言っていた「ぼったくり保険は早く解約して、優良なインデックス投資信託と必要な掛け捨て保険に分けなさい」──まさにこれが当てはまる契約でした。 頭では理解していた。でも、手が動かなかった。 2020年の時点では、契約日から10年が経過しておらず、円ベースでは元本割れの状態。為替差益でプラスになっているとはいえ、「損をした気持ち」が拭えず、解約のボタンを押せませんでした。あの感覚は、FXで損切りできなかったときとよく似ていました。感情がブレーキを踏んでしまうのです。 「理解と行動の間には、4年分の距離があった」というのが正直なところです。 2024年1月──ようやく解約 契約から12年以上が経った2024年1月30日、ついに解約に踏み切りました。 項目 内容 解約日 2024年1月30日 解約払戻金(米ドル) 47,206.71米ドル 解約時為替レート 146.88円/米ドル 解約払戻金(円換算) 6,933,721円 払い込んだ3,467,109円が、6,933,721円になって戻ってきた。一見すると倍になっており「良かった」と見えます。でも、ここで立ち止まって考えてみました。 ...

May 16, 2026

一冊の本が、すべてを変えた――『お金の大学』との出会い

お金と僕の12年戦争・第3話 「2020年に、本当の意味での投資に出会うことになる」と前回書きました。正確に言えば、それは両学長の書籍『お金の大学』との出会いでした。そこから私の本当の投資がスタートしたのです。 2020年の秋ごろだったでしょうか。妻から手渡された一冊の本——それが『お金の大学』でした。 手に取った瞬間、直感的にそう感じました。「これは本物だ」 と。 表紙のイラストはポップで親しみやすく、ページを開くと文字だらけではなくイラストと図解が随所に散りばめられている。「お金の本」というと難しい専門書を想像していた私には、その読みやすさ自体が意外でした。しかし読み始めると、内容の本質はまったく軽くない。ページをめくるたびに「なぜ学校でこれを教えてくれなかったのか」という思いが込み上げてきました。 これまで「お金」について真剣に学んだことのなかった私にとって、この本の内容は衝撃そのものでした。 なかでも序盤の一節が刺さりました。「労働所得だけに頼る人生には限界がある。自分が働いていない時間にも収入が入る仕組みを作ることが大切だ」という趣旨の言葉です。それまでの私は、働いた分だけ給料をもらうことを当然のことだと思っていました。残業を増やせば収入が増え、休めば減る。そのループから抜け出すという発想自体が、そもそもなかったのです。 読み終えた後、妻に「この本すごいよ」と興奮気味に話したことを覚えています。妻は「だから渡したんだけど」と笑っていましたが。 まずはこの本の通りにやってみよう——そう決めて、一歩ずつ取り組み始めました。 『お金の大学』が教えてくれた「5つの力」 この本の核心は、「経済的自由」 という考え方です。著者の両学長はそれを「生活費を資産所得でまかなえる状態」と定義しています。嫌な仕事を無理に続けなくていい、お金の不安で人生を縛られない——そんな状態を目指すための道筋として、「5つの力」が示されています。 力 テーマ ポイント ① 貯める力 固定費を削る 通信費・保険・住宅・車など6大固定費の見直し ② 稼ぐ力 収入源を増やす 副業・転職・フリーランスで収入を分散 ③ 増やす力 長期・積立投資 インデックスファンドへの分散投資。FX・短期売買は不向き ④ 守る力 詐欺・手数料対策 金融リテラシーを身につけ、不要な損失を防ぐ ⑤ 使う力 満足度の高い支出 貯め込むだけでなく、価値ある経験・健康・学びに使う 「貯める力」では、通信費・保険・住宅・車といった人生の6大固定費を見直すことから始める。「稼ぐ力」では、会社員一本に頼らず副業や転職で収入源を分散させる。「増やす力」では、インデックスファンドへの長期・積立・分散投資が推奨されており、FXや短期売買は初心者には不向きとはっきり書かれています。「守る力」では詐欺や高い手数料、税金知識の不足から身を守る。そして「使う力」では、ただ貯め込むのではなく、自分が本当に価値を感じることにお金を使うことが幸せへの道だと説かれています。 本書の核心メッセージ 「お金を増やすこと」が目的なのではなく、「自由に生きること」が目的である。特別な才能がなくても、正しい知識と行動で人生は変えられる。 リベ大YouTubeに、どっぷりはまった日々 本を読み終えた私が次に向かったのは、YouTubeでした。 両学長が運営する「両学長 リベラルアーツ大学」チャンネルです。登録者数は当時すでに数百万人規模。動画の数も膨大で、保険・税金・投資・副業・節約と、お金にまつわるあらゆるテーマが網羅されていました。 最初の一本を再生したのは、確かランニング中のことでした。イヤホンをつけてスマホで再生すると、画面の中の両学長がいつものライオンのキャラクターで、明るくテンポよく話し始める。内容は「格安SIMに乗り換えるだけで年間数万円節約できる」というシンプルなものでしたが、「なぜ今まで気づかなかったのか」と頭を殴られたような感覚がありました。 それからというもの、時間さえあれば動画を再生するようになりました。 朝の準備中、ランニング中、昼休み、寝る前——。妻に「またYouTube?」と言われるくらい、四六時中リベ大の動画を流していました。一本見終わると関連動画がずらりと並んでいて、気がつけば深夜になっていることも珍しくありませんでした。 「知らないと損をする」という感覚の連続 動画を見続けて驚いたのは、知らないだけで損していることが山ほどあったという事実です。 たとえば、ふるさと納税。制度の存在は知っていましたが「なんか面倒くさそう」と放置していました。しかし動画で仕組みを理解すると、実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる上に、住民税まで安くなると知って愕然としました。「なぜ今まで使っていなかったのか」と。 保険も同じです。私は何となく「保険は多めに入っておくもの」と思い込み、必要かどうかも吟味せずにいくつかの民間保険に加入していました。ところが両学長の動画で「日本の公的保険制度は思っている以上に手厚い」という解説を聞き、自分の加入内容を見直すと、明らかに重複している保障がいくつも見つかりました。 税金もそうでした。会社員だと税金は「会社がやってくれるもの」という感覚で、自分で確定申告をしたことすらなかった。でも動画を通じて、医療費控除や生命保険料控除、ふるさと納税のワンストップ特例など、知っているだけで手元に残るお金が変わる制度がいくつもあることを知りました。「無知は罪だ」とまでは言いませんが、知識がないだけで静かに損をし続けていたのだと、この時期に痛感しました。 動画を一本見るたびに、自分の「知識の穴」が浮かび上がってくる。そしてその穴を埋めるたびに、少しずつ家計の見通しが良くなっていく感覚がありました。あの時期の学びの密度は、今振り返っても濃密だったと思います。 両学長の「語り口」が、私には合っていた リベ大の動画が続けられた理由は、内容だけではありません。両学長の話し方そのものが、私にとって非常に入ってきやすかったのです。 難しい金融用語をそのまま使わず、かみ砕いて説明してくれる。押しつけがましくなく、「最終的に判断するのはあなた自身」というスタンスを崩さない。そして何より、お金の話なのに、どこかあたたかい。 「お金は人生を自由にする道具である」という言葉が、回を重ねるごとに染み込んでいきました。お金を増やすことが目的なのではなく、自分らしく生きるための手段として捉える——その視点は、それまでの私にはまったく欠けていたものでした。 気づけば、本とYouTubeを行き来しながら同じ内容を何度も確認するようになっていました。本で概念を理解して、動画でより具体的なイメージをつかむ。そのサイクルが、知識を定着させてくれました。 「見るだけ」から「行動」へ ただ、正直に言うと、最初のうちはひたすら「見るだけ」になっていました。 動画を見て「なるほど!」と感動する。でも実際に格安SIMに乗り換えるわけでも、保険を解約するわけでもない。ただ知識が増えていくだけ——「勉強した気になっている状態」に陥っていたのです。 転機になったのは、両学長が動画の中で言った一言でした。うろ覚えですが、こんな内容だったと思います。「知識はあるのに行動しない人は、知識がない人と結果が同じ」と。 その言葉が刺さりました。 私はすぐにスマホのキャリアを調べ、格安SIMへの乗り換え手続きを始めました。保険の証券を引っ張り出して、本当に必要な保障かどうかを一つひとつ確認しました。ふるさと納税のサイトに初めてログインして、返礼品を選びました。動画を「見る」から「やってみる」に、ようやくギアが切り替わった瞬間でした。 ...

May 13, 2026

必勝法を探し続けた男の末路──FXやらかし図鑑

お金と僕の12年戦争・第2話 結論から言おう。 僕はFXで150万円溶かした。 しかも一度ではない。やめては始め、やめては始めを4〜5回繰り返しながら、トータルでその金額に到達した。我ながら見事な負けっぷりだと思う。(笑) 2013年、僕はFXという名の沼に、両足どころか頭まで突っ込んでいた。 ① YouTube沼にはまる「必勝法」探し まず僕がやったのは、YouTubeでFX関連動画を片っ端から漁ることだった。 「FX 必勝法」「FX 勝てる手法」「月収100万円」──そんなワードで検索しまくり、もっともらしいことを言っているチャンネルを見つけては、その手法を試してみる。うまくいかなければ別の動画を探す。また試す。また探す。 今思えば完全に必勝法コレクターだった。 そもそも、もし本当に必勝法があるなら、その人はYouTubeで無料公開なんてしない。当たり前のことに、当時の僕は気づけなかった。 ② 謎のインジケーターに課金する男 動画だけでは飽き足らず、次は「エントリータイミングを教えてくれる魔法のツール」を探し始めた。 いわゆるインジケーターというやつだ。チャートに重ねると「買い」「売り」のサインが出る。無料のものを試し、効かないとわかると有料のものに手を出す。数千円、ときには1万円以上払ったこともあった。 結論から言うと、全部ゴミだった。いや、ゴミというより「後付けで勝率を良く見せる詐欺ツール」といった方が正確かもしれない。 授業料、高すぎた。 ③ コツコツ積み上げて、ドカンと吹き飛ばす 利益が少し出るとすぐ決済してしまう。それが僕の悪いクセだった。 「逃げ切った!」という快感が忘れられず、ちょっと勝っては利確、ちょっと勝っては利確。口座残高の数字が小さく増えていくのが嬉しかった。 しかしその一方で、損失が出ると「もう少し待てば戻るはず…」と粘り続ける。 その非対称さに気づかないまま続けた結果、ある日やってくる。 コツコツ積み上げた利益が、一回のドカンで全部消えた。 やった人間にしかわからない、あの虚無感。 ④「長期投資」という名の現実逃避 損切りができなかった。本当にできなかった。 「もう少し待てば戻るはず」と含み損を抱えたまま放置するのはまだかわいい方で、僕がやったのはさらに上をいく言い訳だった。 「これは長期投資だから」 FXの含み損を前に、僕は突然「長期投資家」に変身した。スワップポイントが少し入ってくるのをいいことに、現実から目を背け続けた。 もちろんそんな「長期投資」に未来はなく、最終的には強制ロスカットか、耐えきれずに大損で決済するかのどちらかだった。 ⑤ 負けを取り返そうとして、さらに深みへ 損失が膨らむと、人間おかしくなる。 「このまま終われない」「一発で取り返せるはずだ」──そう思って、証拠金に対して明らかに過大なポジションを持った。 するとどうなるか。少し値が動くだけで口座残高がガクガク揺れる。ロスカットの恐怖で気持ちが不安定になる。夜も落ち着かない。 ハイレバレッジは、トレードではなく恐怖との戦いだった。 ⑥ ポジポジ病という名の持病 「ポジションを持っていないと落ち着かない」 これが厄介だった。根拠なんてない。ただ、何かに乗っていないと不安なのだ。 そんなポジションだから当然、仕事中も気になる。バスを運転しながら(※停車中です)「今どうなってるかな…」と頭の片隅でチャートが浮かぶ。 本末転倒とはこのことだった。お金を増やすために始めたはずが、本業に支障をきたしていた。 やめる。また始める。を4〜5回繰り返した。 こんな失敗だらけでも、僕はFXをやめられなかった。 「次こそは」「今度こそうまくやれる」──懲りない男は、しばらく間を置いてはまたチャートを開いた。それを4〜5回繰り返した。 今思えば、完全にギャンブルと同じ心理だった。 そして今──正しい付き合い方にたどり着いた そんな失敗だらけの僕だが、実はFXを完全にやめたわけではない。 現在も20万円をFX口座に入れてある。ただし、以前とは決定的に違うことがある。 もうFXを「投資」だとは思っていない。 趣味だ。釣りや競馬と同じ感覚で、溶かしてもいい範囲のお金でたまに楽しむ。大儲けしようなどとは微塵も考えていない。 150万円という授業料を払って、ようやくたどり着いた「正しいFXとの付き合い方」がこれだ。 そして2020年、僕は本当の意味での「投資」に出会うことになる。 次回へ続く。 私がFXで溶かした150万円の正体は、結局のところ「技術」ではなく「心理」の問題でした。必勝法探し、損切りできない、ポジポジ病——なぜ知識があっても勝てないのか。その答えを、これ以上なく突き詰めた名著がこれです。当時の私が読んでいれば、授業料はずっと安く済んだはずです。 ...

May 11, 2026

三男が生まれた日、僕は100万円をFXに突っ込んだ

お金と僕の12年戦争・第1話 私が「投資」という言葉を意識したのは、2013年の9月のことです。 なぜそこまではっきり覚えているかといえば、三男が生まれたタイミングだったから。産声を聞いたあの瞬間から、胸の奥にじわじわと広がってきたのは感動だけではありませんでした。同時に、正体のよくわからない焦りのようなものが、ゆっくりと込み上げてきたのです。 「何かをやらなくちゃ。このままじゃダメだ。」 当時、私にはすでに三人の子どもがいました。長男、長女、そして次男。そして今度で四人目——三男の誕生です。守るべきものが増えるということは、同時に「自分に何かあったら」という不安の重さも増すということでした。 「何か」をやらなければという焦りは、なぜかまっすぐ「投資」という言葉に向かいました。知識があったわけでも、誰かに勧められたわけでもない。ただ、インターネットをポチポチと検索しながら、気づいたらFXという世界に辿り着いていたのです。 どうにかこうにか口座開設を完了させ、100万円を入金。画面の前で「いざ!」と気合を入れたはいいものの、正直なところ何をどうすればいいのか、まったく分かりませんでした。チャートの読み方も、注文の仕組みも、レバレッジの意味さえも。 それでも、人生で最初の「エントリー」だけは、なんとか成功させました。 そこから先は、これまでの人生で経験したことのない感覚の連続でした。数字が動くたびに心臓が跳ねる。プラスになれば息が上がり、マイナスになれば胃が縮む。たった数万円の値動きで、これほどまでに感情が揺さぶられるとは思っていませんでした。 たまたまその日は、何かの経済指標の発表時間と重なっていたようです。2〜3時間、ただ値動きをドキドキしながら眺めていると、突然、相場が円安方向に大きく動き出しました。含み益がみるみる膨らんでいく。8万円のプラス。 震える手で決済ボタンを押しました。 あのときの感覚を、今でもはっきり覚えています。「俺の人生は、これからバラ色だ」と、本気でそう思いました。お金は、努力しなくても手に入るのかもしれない——そんな、恐ろしいほど根拠のない自信が、全身に満ちていました。 ビギナーズラックというものは、本当にあるんですね。 しかし振り返れば、あの8万円の勝利こそが、その後の「泥沼」への入口でした。 次回:興奮が慢心に変わるとき——FXという沼の、深さを知る この12年戦争が終わってみて、いま思うのは「もし最初にこの一冊を読んでいたら」ということです。私がFXで彷徨ったあげく、ようやく資産形成の“正しい順番”を教えてくれたのが、この本でした。詳しくは第3話で書きますが、これから始める方には、遠回りをしないためにも、まずここから読んでほしいと思います。 【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学両@リベ大学長/朝日新聞出版。私の12年の回り道を、最短ルートに変えてくれた一冊(新NISA対応の改訂版) Amazonで見る › お金と僕の12年戦争 ─ シリーズ一覧 次の話:第2話 必勝法を探し続けた男の末路──FXやらかし図鑑 ▶ 第1話 三男が生まれた日、僕は100万円をFXに突っ込んだ(この記事) 第2話 必勝法を探し続けた男の末路──FXやらかし図鑑 第3話 一冊の本が、すべてを変えた──『お金の大学』との出会い 第4話 スマホ代を月15,000円から5,000円へ──格安SIM乗り換え体験記 第5話 6大固定費の見直し──保険の整理 第6話 住宅ローンという名の長期戦──借り換えと金利上昇 第7話 手放した日から、お金が貯まりはじめた──マークIIとの別れ 第8話 「株主」にはなれた。でも「投資家」にはなれなかった 第9話 「短期トレード」の果てに──インデックス投資という長期戦のはじまり 第10話 「廃止決定」の制度に、子どもたちの未来を託した──ジュニアNISA編 第11話 「もう一本の柱」iDeCo──節税と引き換えに、60歳まで縛るという選択 第12話 二軒の戸建がくれた、もう一本の柱──戸建賃貸業のはじまり 第13話 大家業、はじめの一歩──「売りますか?」に「貸します」と答えた日 第14話 二軒目は、意図して買いに行った──松戸・築古戸建、オーナーチェンジ購入記

May 9, 2026