6大固定費の見直し──保険の整理

お金と僕の12年戦争・第5話 「投資は投資、保険は保険」。頭ではわかっていた。でも行動に移すまでに、じつに4年かかった。 まず「棚卸し」から始めた 『お金の大学』を読んでから最初にやったことのひとつが、我が家の保険を全部並べてみることでした。保険証券をかき集め、「何に、いくら払っているのか」を一覧にしてみる。そうしないと、そもそも何を見直すかが決まりません。 出てきたのは、大きくふたつ。 保険名 種別 契約日 保険期間 積立利率変動型終身保険(米国通貨建) 一時払い終身 2011年6月1日 終身 スーパーがん保険 終身がん保険 1994年7月1日 終身 ここに火災保険(個人賠償責任特約付き)が加わりますが、主な見直し対象はこの2本でした。 ❶ スーパーがん保険──現在も継続中 1994年7月、30年以上前に契約した保険です。 項目 内容 月額保険料 1,270円 契約開始 1994年7月1日 2026年5月時点の解約払戻金 397,800円 損益を数字で整理してみた 2026年5月現在で31年10か月、約382か月払い続けているとすると、総払込保険料は次のようになります。 総払込保険料(概算):約48.5万円 解約払戻金:約39.8万円 差額(実質コスト):約8.7万円 年間換算コスト:約2,700円 31年以上にわたってがんの保障を持ち続けて、実質コストは年間約2,700円。純粋な「保険料の損得」という視点で見れば、かなり健闘している契約だと思います。 1990年代の保険には「予定利率が高い」「同条件では今入りづらい」という特徴があります。月1,270円という保険料は、今の水準から見ると破格といっていいかもしれません。 もちろん「解約して約40万円を受け取る」という選択もあります。ただ、保険として機能しながらこの戻り率なら、貯蓄商品としては平凡でも、保険商品としての役割は十分に果たしている。そう判断して、現在も継続中です。 ❷ ドル建て終身保険──4年越しの決断 問題はこちらでした。 項目 内容 商品名 積立利率変動型終身保険(米国通貨建) 契約日 2011年6月1日 一時払い保険料 3,467,109円 契約時為替レート 81.18円/米ドル 保険金額 50,000米ドル 2020年──解約できなかった 『お金の大学』を読んで、このドル建て終身保険が「見直し対象」であることはすぐにわかりました。投資と保険を一緒に詰め込んだ商品。両学長がYouTubeでも繰り返し言っていた「ぼったくり保険は早く解約して、優良なインデックス投資信託と必要な掛け捨て保険に分けなさい」──まさにこれが当てはまる契約でした。 頭では理解していた。でも、手が動かなかった。 2020年の時点では、契約日から10年が経過しておらず、円ベースでは元本割れの状態。為替差益でプラスになっているとはいえ、「損をした気持ち」が拭えず、解約のボタンを押せませんでした。あの感覚は、FXで損切りできなかったときとよく似ていました。感情がブレーキを踏んでしまうのです。 「理解と行動の間には、4年分の距離があった」というのが正直なところです。 2024年1月──ようやく解約 契約から12年以上が経った2024年1月30日、ついに解約に踏み切りました。 項目 内容 解約日 2024年1月30日 解約払戻金(米ドル) 47,206.71米ドル 解約時為替レート 146.88円/米ドル 解約払戻金(円換算) 6,933,721円 払い込んだ3,467,109円が、6,933,721円になって戻ってきた。一見すると倍になっており「良かった」と見えます。でも、ここで立ち止まって考えてみました。 ...

May 16, 2026

スマホ代を月15,000円から5,000円へ──格安SIM乗り換え体験記

お金と僕の12年戦争・第4話 『お金の大学』との出会いから行動へ。最初に手をつけたのは、6大固定費の筆頭・通信費でした。 前回まで、私がFXで約150万円を溶かした話、そして『お金の大学』との出会いによって「本当の意味での投資とは何か」に気づいた話をしてきました。 両学長の教えのとおり、まずは「貯める力」を鍛えることから始めます。6大固定費の見直し──その第一弾として取り組んだのが、通信費です。 2020年当時の我が家の状況 まず、当時の家族構成と資産状況を整理しておきます。 私:51歳、妻:49歳 長男:大学4年、長女:中学1年、次男:小学5年、三男:小学1年、四男:保育園年少 預貯金:約2,000万円 ドル建て終身一時払い生命保険:約350万円 住宅ローン残高:約3,300万円 給与年収:約500万円、家賃収入:約100万円 7人家族の大所帯。預貯金はそれなりにあるものの、住宅ローンの重さが家計に圧しかかっている状況でした。 当時スマホを使っていたのは私・妻・長男の3人。auとSoftBankの間を行ったり来たりしながら使っていました。当時の世間の関心といえば「iPhoneをどこで一番お得に手に入れてキャリアを乗り換えるか」、そこに尽きていたように思います。今もその空気は続いているように感じますが。 当時の料金はauで、1人あたり約5,000円、3人合計で月15,000〜16,000円ほど。この数字を改めて見たとき、「高すぎる」と感じました。 mineoへの乗り換えを決断 そこで選んだのが、格安SIMの**mineo(マイネオ)**です。 乗り換えを決める前は、正直かなり不安がありました。 周りに格安SIMを使っている人がまったくいない 通信品質が大丈夫なのか心配 手続きがほぼネット完結──当時は店員さんにやってもらうのが当たり前だったので、戸惑いがあった それでも思い切って3GBプラン(デュアルタイプ:音声通話+データ通信)に3人で乗り換えました。 2020年当時のmineo料金(参考) データ容量 デュアルタイプ(音声+データ) シングルタイプ(データのみ) 500MB 約1,310円 約700円 1GB 約1,410円 約800円 3GB(選択) 約1,510円 約900円 6GB 約2,190円 約1,580円 10GB 約3,130円 約2,520円 20GB 約4,590円 約3,980円 ※2020年前後の税込前料金ベース 当時のmineoはdocomo回線(Dプラン)・au回線(Aプラン)・SoftBank回線(Sプラン)の3回線から選べるのが強みでした。また「パケット放題」「フリータンク」「パケットギフト」など、ユーザー同士で通信容量を融通し合える独自サービスも人気でした。 乗り換えた結果、1人あたり約1,500円、3人で約5,000円に。 月約10,000〜11,000円の削減に成功しました。 乗り換えてみて──不安は杞憂だった 結論から言えば、使用上の不具合はまったく感じませんでした。 「品質が落ちるんじゃないか」という不安は完全な杞憂でした。手続きも、一度やってみると思いのほかスムーズ。「なぜもっと早くやらなかったんだろう」というのが正直な感想です。 ひとつ大きな気づきがありました。それは、これまで「利用料金」と「機種代」をごっちゃにして考えていたということ。2つが混在したままでは、自分が払っているお金が高いのか安いのか、正確に判断できていなかったのです。 分けて考えるようになったことで、ものごとがシンプルに整理できました。 そして何より大きかったのは、大手キャリアの「囲い込み」の外に初めて踏み出せたということです。囲いの中にいる間は、その外に選択肢があることすら気づきにくい。一歩出てしまえば、「なぜずっとここにいたんだろう」と思うほど、世界が広がって見えました。 おそらくこの感覚は、スマホだけの話ではない。保険・住宅・車など、ほかの固定費見直しにも、まったく同じことが言えると思っています。 現在の我が家──日本通信SIMへ移行 それから数年が経ち、現在の我が家はiPhoneを6台使用しています。格安SIMの会社も「日本通信SIM」に切り替えました。 プラン 台数 月額 20GBプラン(1,390円) 5台 6,950円 1GBプラン(290円) 1台 290円 合計 6台 約8,000円 子どもたちが増えてスマホの台数が倍になったにもかかわらず、月額は約8,000円に収まっています。家族の誰ひとり、使用上の不都合を感じていません。 ...

May 15, 2026

一冊の本が、すべてを変えた――『お金の大学』との出会い

お金と僕の12年戦争・第3話 「2020年に、本当の意味での投資に出会うことになる」と前回書きました。正確に言えば、それは両学長の書籍『お金の大学』との出会いでした。そこから私の本当の投資がスタートしたのです。 2020年の秋ごろだったでしょうか。妻から手渡された一冊の本——それが『お金の大学』でした。 手に取った瞬間、直感的にそう感じました。「これは本物だ」 と。 表紙のイラストはポップで親しみやすく、ページを開くと文字だらけではなくイラストと図解が随所に散りばめられている。「お金の本」というと難しい専門書を想像していた私には、その読みやすさ自体が意外でした。しかし読み始めると、内容の本質はまったく軽くない。ページをめくるたびに「なぜ学校でこれを教えてくれなかったのか」という思いが込み上げてきました。 これまで「お金」について真剣に学んだことのなかった私にとって、この本の内容は衝撃そのものでした。 なかでも序盤の一節が刺さりました。「労働所得だけに頼る人生には限界がある。自分が働いていない時間にも収入が入る仕組みを作ることが大切だ」という趣旨の言葉です。それまでの私は、働いた分だけ給料をもらうことを当然のことだと思っていました。残業を増やせば収入が増え、休めば減る。そのループから抜け出すという発想自体が、そもそもなかったのです。 読み終えた後、妻に「この本すごいよ」と興奮気味に話したことを覚えています。妻は「だから渡したんだけど」と笑っていましたが。 まずはこの本の通りにやってみよう——そう決めて、一歩ずつ取り組み始めました。 『お金の大学』が教えてくれた「5つの力」 この本の核心は、「経済的自由」 という考え方です。著者の両学長はそれを「生活費を資産所得でまかなえる状態」と定義しています。嫌な仕事を無理に続けなくていい、お金の不安で人生を縛られない——そんな状態を目指すための道筋として、「5つの力」が示されています。 力 テーマ ポイント ① 貯める力 固定費を削る 通信費・保険・住宅・車など6大固定費の見直し ② 稼ぐ力 収入源を増やす 副業・転職・フリーランスで収入を分散 ③ 増やす力 長期・積立投資 インデックスファンドへの分散投資。FX・短期売買は不向き ④ 守る力 詐欺・手数料対策 金融リテラシーを身につけ、不要な損失を防ぐ ⑤ 使う力 満足度の高い支出 貯め込むだけでなく、価値ある経験・健康・学びに使う 「貯める力」では、通信費・保険・住宅・車といった人生の6大固定費を見直すことから始める。「稼ぐ力」では、会社員一本に頼らず副業や転職で収入源を分散させる。「増やす力」では、インデックスファンドへの長期・積立・分散投資が推奨されており、FXや短期売買は初心者には不向きとはっきり書かれています。「守る力」では詐欺や高い手数料、税金知識の不足から身を守る。そして「使う力」では、ただ貯め込むのではなく、自分が本当に価値を感じることにお金を使うことが幸せへの道だと説かれています。 本書の核心メッセージ 「お金を増やすこと」が目的なのではなく、「自由に生きること」が目的である。特別な才能がなくても、正しい知識と行動で人生は変えられる。 リベ大YouTubeに、どっぷりはまった日々 本を読み終えた私が次に向かったのは、YouTubeでした。 両学長が運営する「両学長 リベラルアーツ大学」チャンネルです。登録者数は当時すでに数百万人規模。動画の数も膨大で、保険・税金・投資・副業・節約と、お金にまつわるあらゆるテーマが網羅されていました。 最初の一本を再生したのは、確かランニング中のことでした。イヤホンをつけてスマホで再生すると、画面の中の両学長がいつものライオンのキャラクターで、明るくテンポよく話し始める。内容は「格安SIMに乗り換えるだけで年間数万円節約できる」というシンプルなものでしたが、「なぜ今まで気づかなかったのか」と頭を殴られたような感覚がありました。 それからというもの、時間さえあれば動画を再生するようになりました。 朝の準備中、ランニング中、昼休み、寝る前——。妻に「またYouTube?」と言われるくらい、四六時中リベ大の動画を流していました。一本見終わると関連動画がずらりと並んでいて、気がつけば深夜になっていることも珍しくありませんでした。 「知らないと損をする」という感覚の連続 動画を見続けて驚いたのは、知らないだけで損していることが山ほどあったという事実です。 たとえば、ふるさと納税。制度の存在は知っていましたが「なんか面倒くさそう」と放置していました。しかし動画で仕組みを理解すると、実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる上に、住民税まで安くなると知って愕然としました。「なぜ今まで使っていなかったのか」と。 保険も同じです。私は何となく「保険は多めに入っておくもの」と思い込み、必要かどうかも吟味せずにいくつかの民間保険に加入していました。ところが両学長の動画で「日本の公的保険制度は思っている以上に手厚い」という解説を聞き、自分の加入内容を見直すと、明らかに重複している保障がいくつも見つかりました。 税金もそうでした。会社員だと税金は「会社がやってくれるもの」という感覚で、自分で確定申告をしたことすらなかった。でも動画を通じて、医療費控除や生命保険料控除、ふるさと納税のワンストップ特例など、知っているだけで手元に残るお金が変わる制度がいくつもあることを知りました。「無知は罪だ」とまでは言いませんが、知識がないだけで静かに損をし続けていたのだと、この時期に痛感しました。 動画を一本見るたびに、自分の「知識の穴」が浮かび上がってくる。そしてその穴を埋めるたびに、少しずつ家計の見通しが良くなっていく感覚がありました。あの時期の学びの密度は、今振り返っても濃密だったと思います。 両学長の「語り口」が、私には合っていた リベ大の動画が続けられた理由は、内容だけではありません。両学長の話し方そのものが、私にとって非常に入ってきやすかったのです。 難しい金融用語をそのまま使わず、かみ砕いて説明してくれる。押しつけがましくなく、「最終的に判断するのはあなた自身」というスタンスを崩さない。そして何より、お金の話なのに、どこかあたたかい。 「お金は人生を自由にする道具である」という言葉が、回を重ねるごとに染み込んでいきました。お金を増やすことが目的なのではなく、自分らしく生きるための手段として捉える——その視点は、それまでの私にはまったく欠けていたものでした。 気づけば、本とYouTubeを行き来しながら同じ内容を何度も確認するようになっていました。本で概念を理解して、動画でより具体的なイメージをつかむ。そのサイクルが、知識を定着させてくれました。 「見るだけ」から「行動」へ ただ、正直に言うと、最初のうちはひたすら「見るだけ」になっていました。 動画を見て「なるほど!」と感動する。でも実際に格安SIMに乗り換えるわけでも、保険を解約するわけでもない。ただ知識が増えていくだけ——「勉強した気になっている状態」に陥っていたのです。 転機になったのは、両学長が動画の中で言った一言でした。うろ覚えですが、こんな内容だったと思います。「知識はあるのに行動しない人は、知識がない人と結果が同じ」と。 その言葉が刺さりました。 私はすぐにスマホのキャリアを調べ、格安SIMへの乗り換え手続きを始めました。保険の証券を引っ張り出して、本当に必要な保障かどうかを一つひとつ確認しました。ふるさと納税のサイトに初めてログインして、返礼品を選びました。動画を「見る」から「やってみる」に、ようやくギアが切り替わった瞬間でした。 ...

May 13, 2026

必勝法を探し続けた男の末路──FXやらかし図鑑

お金と僕の12年戦争・第2話 結論から言おう。 僕はFXで150万円溶かした。 しかも一度ではない。やめては始め、やめては始めを4〜5回繰り返しながら、トータルでその金額に到達した。我ながら見事な負けっぷりだと思う。(笑) 2013年、僕はFXという名の沼に、両足どころか頭まで突っ込んでいた。 ① YouTube沼にはまる「必勝法」探し まず僕がやったのは、YouTubeでFX関連動画を片っ端から漁ることだった。 「FX 必勝法」「FX 勝てる手法」「月収100万円」──そんなワードで検索しまくり、もっともらしいことを言っているチャンネルを見つけては、その手法を試してみる。うまくいかなければ別の動画を探す。また試す。また探す。 今思えば完全に必勝法コレクターだった。 そもそも、もし本当に必勝法があるなら、その人はYouTubeで無料公開なんてしない。当たり前のことに、当時の僕は気づけなかった。 ② 謎のインジケーターに課金する男 動画だけでは飽き足らず、次は「エントリータイミングを教えてくれる魔法のツール」を探し始めた。 いわゆるインジケーターというやつだ。チャートに重ねると「買い」「売り」のサインが出る。無料のものを試し、効かないとわかると有料のものに手を出す。数千円、ときには1万円以上払ったこともあった。 結論から言うと、全部ゴミだった。いや、ゴミというより「後付けで勝率を良く見せる詐欺ツール」といった方が正確かもしれない。 授業料、高すぎた。 ③ コツコツ積み上げて、ドカンと吹き飛ばす 利益が少し出るとすぐ決済してしまう。それが僕の悪いクセだった。 「逃げ切った!」という快感が忘れられず、ちょっと勝っては利確、ちょっと勝っては利確。口座残高の数字が小さく増えていくのが嬉しかった。 しかしその一方で、損失が出ると「もう少し待てば戻るはず…」と粘り続ける。 その非対称さに気づかないまま続けた結果、ある日やってくる。 コツコツ積み上げた利益が、一回のドカンで全部消えた。 やった人間にしかわからない、あの虚無感。 ④「長期投資」という名の現実逃避 損切りができなかった。本当にできなかった。 「もう少し待てば戻るはず」と含み損を抱えたまま放置するのはまだかわいい方で、僕がやったのはさらに上をいく言い訳だった。 「これは長期投資だから」 FXの含み損を前に、僕は突然「長期投資家」に変身した。スワップポイントが少し入ってくるのをいいことに、現実から目を背け続けた。 もちろんそんな「長期投資」に未来はなく、最終的には強制ロスカットか、耐えきれずに大損で決済するかのどちらかだった。 ⑤ 負けを取り返そうとして、さらに深みへ 損失が膨らむと、人間おかしくなる。 「このまま終われない」「一発で取り返せるはずだ」──そう思って、証拠金に対して明らかに過大なポジションを持った。 するとどうなるか。少し値が動くだけで口座残高がガクガク揺れる。ロスカットの恐怖で気持ちが不安定になる。夜も落ち着かない。 ハイレバレッジは、トレードではなく恐怖との戦いだった。 ⑥ ポジポジ病という名の持病 「ポジションを持っていないと落ち着かない」 これが厄介だった。根拠なんてない。ただ、何かに乗っていないと不安なのだ。 そんなポジションだから当然、仕事中も気になる。バスを運転しながら(※停車中です)「今どうなってるかな…」と頭の片隅でチャートが浮かぶ。 本末転倒とはこのことだった。お金を増やすために始めたはずが、本業に支障をきたしていた。 やめる。また始める。を4〜5回繰り返した。 こんな失敗だらけでも、僕はFXをやめられなかった。 「次こそは」「今度こそうまくやれる」──懲りない男は、しばらく間を置いてはまたチャートを開いた。それを4〜5回繰り返した。 今思えば、完全にギャンブルと同じ心理だった。 そして今──正しい付き合い方にたどり着いた そんな失敗だらけの僕だが、実はFXを完全にやめたわけではない。 現在も20万円をFX口座に入れてある。ただし、以前とは決定的に違うことがある。 もうFXを「投資」だとは思っていない。 趣味だ。釣りや競馬と同じ感覚で、溶かしてもいい範囲のお金でたまに楽しむ。大儲けしようなどとは微塵も考えていない。 150万円という授業料を払って、ようやくたどり着いた「正しいFXとの付き合い方」がこれだ。 そして2020年、僕は本当の意味での「投資」に出会うことになる。 次回へ続く。 私がFXで溶かした150万円の正体は、結局のところ「技術」ではなく「心理」の問題でした。必勝法探し、損切りできない、ポジポジ病——なぜ知識があっても勝てないのか。その答えを、これ以上なく突き詰めた名著がこれです。当時の私が読んでいれば、授業料はずっと安く済んだはずです。 ...

May 11, 2026

三男が生まれた日、僕は100万円をFXに突っ込んだ

お金と僕の12年戦争・第1話 私が「投資」という言葉を意識したのは、2013年の9月のことです。 なぜそこまではっきり覚えているかといえば、三男が生まれたタイミングだったから。産声を聞いたあの瞬間から、胸の奥にじわじわと広がってきたのは感動だけではありませんでした。同時に、正体のよくわからない焦りのようなものが、ゆっくりと込み上げてきたのです。 「何かをやらなくちゃ。このままじゃダメだ。」 当時、私にはすでに三人の子どもがいました。長男、長女、そして次男。そして今度で四人目——三男の誕生です。守るべきものが増えるということは、同時に「自分に何かあったら」という不安の重さも増すということでした。 「何か」をやらなければという焦りは、なぜかまっすぐ「投資」という言葉に向かいました。知識があったわけでも、誰かに勧められたわけでもない。ただ、インターネットをポチポチと検索しながら、気づいたらFXという世界に辿り着いていたのです。 どうにかこうにか口座開設を完了させ、100万円を入金。画面の前で「いざ!」と気合を入れたはいいものの、正直なところ何をどうすればいいのか、まったく分かりませんでした。チャートの読み方も、注文の仕組みも、レバレッジの意味さえも。 それでも、人生で最初の「エントリー」だけは、なんとか成功させました。 そこから先は、これまでの人生で経験したことのない感覚の連続でした。数字が動くたびに心臓が跳ねる。プラスになれば息が上がり、マイナスになれば胃が縮む。たった数万円の値動きで、これほどまでに感情が揺さぶられるとは思っていませんでした。 たまたまその日は、何かの経済指標の発表時間と重なっていたようです。2〜3時間、ただ値動きをドキドキしながら眺めていると、突然、相場が円安方向に大きく動き出しました。含み益がみるみる膨らんでいく。8万円のプラス。 震える手で決済ボタンを押しました。 あのときの感覚を、今でもはっきり覚えています。「俺の人生は、これからバラ色だ」と、本気でそう思いました。お金は、努力しなくても手に入るのかもしれない——そんな、恐ろしいほど根拠のない自信が、全身に満ちていました。 ビギナーズラックというものは、本当にあるんですね。 しかし振り返れば、あの8万円の勝利こそが、その後の「泥沼」への入口でした。 次回:興奮が慢心に変わるとき——FXという沼の、深さを知る この12年戦争が終わってみて、いま思うのは「もし最初にこの一冊を読んでいたら」ということです。私がFXで彷徨ったあげく、ようやく資産形成の“正しい順番”を教えてくれたのが、この本でした。詳しくは第3話で書きますが、これから始める方には、遠回りをしないためにも、まずここから読んでほしいと思います。 【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学両@リベ大学長/朝日新聞出版。私の12年の回り道を、最短ルートに変えてくれた一冊(新NISA対応の改訂版) Amazonで見る › お金と僕の12年戦争 ─ シリーズ一覧 次の話:第2話 必勝法を探し続けた男の末路──FXやらかし図鑑 ▶ 第1話 三男が生まれた日、僕は100万円をFXに突っ込んだ(この記事) 第2話 必勝法を探し続けた男の末路──FXやらかし図鑑 第3話 一冊の本が、すべてを変えた──『お金の大学』との出会い 第4話 スマホ代を月15,000円から5,000円へ──格安SIM乗り換え体験記 第5話 6大固定費の見直し──保険の整理 第6話 住宅ローンという名の長期戦──借り換えと金利上昇 第7話 手放した日から、お金が貯まりはじめた──マークIIとの別れ 第8話 「株主」にはなれた。でも「投資家」にはなれなかった 第9話 「短期トレード」の果てに──インデックス投資という長期戦のはじまり 第10話 「廃止決定」の制度に、子どもたちの未来を託した──ジュニアNISA編 第11話 「もう一本の柱」iDeCo──節税と引き換えに、60歳まで縛るという選択 第12話 二軒の戸建がくれた、もう一本の柱──戸建賃貸業のはじまり 第13話 大家業、はじめの一歩──「売りますか?」に「貸します」と答えた日 第14話 二軒目は、意図して買いに行った──松戸・築古戸建、オーナーチェンジ購入記

May 9, 2026

「安すぎる」に気づいた直感と、AIが守ってくれた話

高校生の息子が、スマホを差し出しながら言ってきた。 「これ、めちゃくちゃ安いから買って。」 画面に表示されていたのは、国内大手スポーツメーカーを名乗るショッピングサイト。トップに大きく「最大80%OFF」の文字。 まぁ「最大」だから、ほとんどの商品はそんなに安くないだろう。 そう思いながら商品一覧を見てみると…なんと、通常のセールでは絶対に80%引きにはならないような定番商品が、ずらりと割引表示されている。 試しに色とサイズを選んで「今すぐ買う」をタップすると、個人情報の入力画面が現れた。 アカウント未登録のサイトなら入力画面が出るのは普通のことだ。でも、なぜか頭の中で小さな警報が鳴った。 「なんか…怪しくないか?」 AIに聞いてみた そこでURLをコピーして、Claude AIに貼り付けた。 「どうも安すぎて怪しい感じがするんだけど、調べてください。」 返ってきた回答は、こうだった。 これは詐欺サイト(偽ブランドサイト)です。絶対に購入しないでください。 URLだけで判断できる明確な根拠が複数あります。 そして具体的な根拠が列挙された: ① ドメインが完全に偽物 本物のブランド公式ドメインとは異なる、一見それらしく見えるドメインが使われていた。「mizuno」を「mawuzuno」のように、アルファベットを微妙に入れ替えた「タイポスクワッティング」という手口だ。 ② URLの構造がECサイトらしくない URLに含まれるパラメータの形式が、特定の中国系ECプラットフォームで使われる形式と一致していた。 ③ 価格が異常に安い 警察の公式見解としても、一般的な販売価格より極端に安い場合はコピー商品か詐欺サイトの可能性が高いとされている。 AIの回答は明確だった。「絶対に個人情報・クレジットカード情報を入力しないでください」と。 親子で気づいたこと 個人情報を入力する前に気づけたのは、ひとつには「なんか嫌な感じ」という直感、そしてもうひとつはAIを使って即座に検証したことだ。 息子とこんな話をした。 「常識外れに安い、って思ったときの感覚は大事だよ。その違和感を無視しないこと。」 「でもさ、AIに聞いたらすぐわかったじゃん。」 「そう。だから道具の使い方も大事なんだよ。」 まとめ:AIを「判断の補助線」として使う 今回の件で改めて感じたのは、AIは**「怪しいかも」という直感を、根拠ある判断に変えてくれるツール**だということだ。 詐欺サイトの手口は年々巧妙になっている。URLをひと目見ただけでは判別が難しいケースも多い。そんなときに「まずAIに聞く」という習慣は、家族全員のセキュリティレベルを底上げしてくれる。 AIをどう日常生活に活かしていくか。これからも考え続けていきたいと思う。 AIを使ってみた記事は、ほかにもあります▼ ド素人がClaude Codeの助けを借りて、1日でブログを無料で公開できた話 不動産査定をAIに任せてみたら、想像を超える結果が出た話

April 27, 2026

変動金利ローン、金利が上がったらどうなる?我が家の10年の記録と、ジタバタしない理由

「変動金利は怖い」とよく言われます。2025年に入って実際に金利が上がった今、我が家がどう考え、何をしているか——具体的な数字とともに正直に書きます。結論を先に言うと、「何も変えない」ことが我が家の答えです。 我が家のローン履歴 2014年5月、メガバンクで3,600万円・変動金利0.975%・34年ローンを組みました。その後、職場に出入りしている金融機関からより好条件の提案があり、2018年2月に借り換えをしました。 時期 内容 2014年5月 メガバンクで3,600万円借り入れ/金利0.975%/返済期間34年/月返済額103,702円 2018年2月 残債3,330万円で借り換え/金利0.625%(▼0.35%)/月返済額100,203円(▼3,499円) 2025年2月 金利0.775%へ引き上げ(▲0.15%)/月返済額は変わらず100,203円(5年ルール適用中) 2025年8月〜現在 金利1.025%へ引き上げ(▲0.25%)/月返済額は引き続き100,203円(5年ルール適用中)/利息の占める割合が増加 借り換えによって月々3,499円・年間41,988円の削減に成功しました。 月返済額は変わらない。でも中身が変わっている 「5年ルール」により、金利が上がっても月返済額は5年間変わりません。我が家の返済額は現在も借り換え時と同じ 100,203円 のままです。 しかし返済額の中身——元金と利息の比率——は金利上昇とともに変化しています。 時期 月返済額 うち元金 うち利息 借り換え直後(0.625%) 100,203円 約83,000円 約17,000円 2025年2月〜(0.775%) 100,203円 約79,000円 約21,000円 現在(1.025%) 100,203円 約72,000円 約28,000円 ※残債3,330万円をもとにした概算です。 金利が上がるにつれて利息が増え、その分だけ元金の減りが遅くなっています。払っているのに残債がなかなか減らない——これが5年ルールの「見えないコスト」です。 5年ルールの実態: 表面上の返済額は変わらないため「影響がない」と感じやすいですが、利息が増えた分だけ元金の減り方が遅くなります。返済額ではなく「元金の減り」を意識することが大切です。 金利上昇に対して、我が家がしていること 2025年に2段階の金利引き上げがありました。繰り上げ返済すべきか、固定に借り換えるべきか——正直、いろいろ考えました。出した答えは、「何もしない」 です。 ただし、何も考えずに放置しているわけではありません。以下の3つの判断があってのことです。 判断① 金利上昇をそのまま受け入れる 現在の金利1.025%は、歴史的に見てまだ非常に低い水準です。日本の住宅ローン変動金利は、バブル期には8%を超えていた時期もありました。2000年代でも2〜3%台が普通でした。 「怖い」という感情はわかります。でも数字で見れば、今の金利は緊急事態ではありません。過度な対策は不要と判断しました。 判断② 「稼ぎを増やす」にコミットする 金利が上がったとき、多くの人は「支出を減らす」方向で考えます。繰り上げ返済も「ローンという支出を減らす」発想の延長線上にあります。 我が家は逆に 「収入を増やすことで対応する」 という方向を選んでいます。収入が増えれば金利上昇分など小さな話になるからです。本業・不動産・投資の3本柱で収入の多様化を進めることが、最大の金利対策だと考えています。 判断③ 投資を淡々と続ける 「繰り上げ返済vs投資」はよく議論されますが、我が家の答えはシンプルです。 住宅ローン金利(1.025%)→ 繰り上げ返済のリターン インデックス投資の長期期待リターン → 年4〜6%程度 長い目で見れば、投資を続けるほうが資産は大きくなると考えています。繰り上げ返済は「確実な1%のリターン」ですが、投資の継続は「時間という最大の武器」を活かすことです。 そして——ジタバタしない 金利上昇をそのまま受け入れ、稼ぎを増やすことにコミットしながら、投資を継続する。長期的な資産増加によって金利上昇分は吸収できると考えています。 要は、ジタバタせず何も変えず、淡々とやっていくということです。 これはあくまで我が家の判断です。家計の余裕、精神的な安心感、残りのローン年数によって正解は異なります。「ジタバタしない」が正解になるのは、判断の根拠があってのことです。 参考:金利が上がると返済額はどう変わるか 5年ごとの見直し時に金利がさらに上昇した場合の月返済額の変化(試算例)。 ...

April 26, 2026

【実録】格安SIMに乗り換えて家族5人の携帯代を年間20万円以上節約した話

家計の固定費見直しは「一度やれば、ずっと効く」――バス運転手が本気で調べた格安SIM徹底比較 まず正直に言います。大手キャリアをぐるぐる渡り歩いていた時代の話 恥ずかしながら、ここ数年の自分の携帯キャリア遍歴を振り返ると、だいたいこんな感じでした。 docomo → au → SoftBank → また docomo … 「今なら乗り換えで〇万円キャッシュバック!」 「初月の月額が半額!」 「家族割でこんなにお得!」 そういった言葉に反応して、新しいキャリアに乗り換えるたびに「賢い消費者になれた気分」でいたわけです。 でも冷静に計算してみると、毎月の通信費は 大人2人だけで1万5千円前後 かかっていた。キャッシュバックで一時的に得した気になっても、月々の料金が高いままでは長い目で見れば損をしている。そのことにようやく気づいたのは、家計の固定費を本格的に見直し始めたときのことでした。 「固定費の見直し」という発想の転換 家計の支出を大きく分けると、食費・光熱費・保険・通信費などの 「固定費」 と、日用品や外食などの 「変動費」 があります。 節約しようとすると、ついつい「今日は外食を我慢しよう」「電気をこまめに消そう」といった変動費の削減に目が向きがちです。でもその努力って、毎月毎月続けなければ効果が消えてしまう。 一方、固定費は 一度見直せばその後はずっと効果が続く んです。 携帯電話料金はまさにその典型。毎月確実に出ていく支出でありながら、一度最適化してしまえば以後は何もしなくてもその恩恵を受け続けられる。しかも金額が大きい。 わが家は家族5人全員がiPhoneを使っています。 大人(自分・バス運転手) 大人(妻・保育士) 高校生(野球部) 中学生 小学3年生 この5回線を大手キャリアで揃えたら、月2万〜2万5千円、年間24万〜30万円 が通信費として消えていく計算になります。 「これは本気で調べなければいけない」 そう感じたのが、今回の格安SIM乗り換え計画の出発点でした。 徹底調査:格安SIM6社+大手3社を丸裸にした 「なんとなく格安SIMは怖い」「サポートが心配」——そういった漠然とした不安をなくすために、主要なサービスを徹底的に調べ上げました。 調査対象は以下の9社です。 格安SIM(MVNO・MNO系) 日本通信SIM(現在利用中・ドコモ回線) 楽天モバイル IIJmio mineo(マイネオ) LINEMO povo2.0 大手キャリア(比較参考) 7. docomo 8. au 9. SoftBank 料金を並べてみると、差は一目瞭然 20GBプランの月額料金比較(2026年4月時点) 事業者 月額(20GB目安) 5分かけ放題 日本通信SIM ¥1,390(5分かけ放題込み) 込み IIJmio ¥2,000 +¥500 LINEMO ¥2,090 +¥550 楽天モバイル ¥2,178 無料(Linkアプリ) docomo(ahamo) ¥2,970 込み au(UQモバイル) ¥2,728 +別途 SoftBank(ワイモバ) ¥2,090 +¥550 docomo(本プラン) ¥7,315〜 別途 au(本プラン) ¥7,238〜 別途 SoftBank(本プラン) ¥7,238〜 別途 この表を眺めていると、大手キャリアの本プランがいかに高いかがよくわかります。「家族割」や「光セット割」を最大限に組み合わせても、格安SIMの定価には追いつかないケースがほとんどです。 ...

April 25, 2026

不動産査定をAIに任せてみたら、想像を超える結果が出た話

営業電話ゼロ、根拠透明、自分のペースで資産を把握する新しい方法 はじめに:資産棚卸をしようと思い立ったきっかけ 少し前から、自分の資産を一度きちんと整理しようと思っていました。 預金・株式・投資信託など、金融資産はネットで確認すればすぐわかります。インデックス投資を続けているので、評価額の確認も慣れたものです。ところが、ひとつだけどうしても手がつけられないものがありました。 不動産です。 副業として中古戸建を賃貸運営しているのですが、「この物件、今いくらで売れるんだろう」という問いに、ずっと答えを出せずにいました。路線価や固定資産税評価額は公開されていますが、実際の売却価格とはズレがある。かといって、業者に査定を頼むのには正直、気が引けていました。 不動産の評価額だけが、どうしても難題だった 金融資産と違って、不動産の評価は一筋縄ではいきません。 立地・築年数・接道状況・法的制限・近隣の成約事例・エリアの将来性……考慮すべき要素が多すぎて、素人が独力で「適正価格」を割り出すのは困難です。かといってプロに頼むと、査定はセットで営業がついてくる。これがどうにも苦手でした。 以前の失敗:査定サイトに登録したら電話が鳴り止まなかった 数年前、ためしにネット不動産査定サイトに物件情報を登録したことがあります。 結果は散々でした。翌日から複数の不動産業者が電話・メールで競うように連絡してきて、断っても断っても営業が続く。「査定は無料」のはずが、精神的コストはかなりのものでした。 「もう業者経由での査定は懲り懲り」と思っていたところへ、ふと思いついたのがAIの活用でした。 発想の転換:「AIに任せてみよう」 普段からClaude(Anthropic社のAIアシスタント)を仕事や調べものに活用しています。ブログの記事作成や投資の情報収集に使うなかで、「これ、不動産調査にも使えるんじゃないか」と考えました。 AIなら営業電話はかかってきません。自分のペースで、自分の知りたい情報だけを調べられる。そう気づいたとき、「やってみよう」という気持ちになりました。 Claudeとの対話:物件情報を整理し、調査設計へ まずClaudeに物件の基本情報を伝えました。 物件の概要はこうです。東京都内・最寄り駅から徒歩12分。土地は2筆構成で合計約37㎡、建物は平成20年築・木造3階建・延床約60㎡。前面道路は建築基準法42条2項道路(いわゆる「みなし道路」)で幅員4m。用途地域は第1種住居地域、建蔽率60%・容積率160%です。 さらに、法務局で取得した公図(土地の地番図)の画像もClaudeに読み込ませました。AIが画像を解析して2筆の位置関係や形状を把握してくれたのには、正直驚きました。 Claudeとのやりとりを通じて、調査すべき7つのタスクが整理されました。 近隣成約事例の収集と㎡単価の算出 路線価・公示地価との比較 現行売出し事例のポータルサイト調査 法的減価要因の一覧化 エリア市況・再開発情報の収集 建物残存価値の計算 3段階査定価格レンジの算出 ここまでを整理してくれただけで、すでに「専門家に相談している感覚」がありました。 Claudeが指摘した「見落としがちな3つのリスク」 調査設計のなかで、Claudeは私が見落としていた重要なリスクを3つ指摘してくれました。 ①道路問題:42条2項道路とセットバック 前面道路が「42条2項道路」というのは、建築基準法上の道路ではなく、特例的に「道路とみなす」扱いの道です。幅員4mあっても、安心とは限りません。 道路中心線の位置が登記・行政上どこかによって、将来の建替え時に「セットバック(道路後退)」が必要になります。さらに、片側が水路や崖の場合は「一方セットバック」という特例が適用されることもある。これらは管轄の建築指導課で道路位置指定図・2項道路指定根拠を取得して確認する必要があるとClaudeは教えてくれました。 自分では「幅員4mあるから問題ない」と思い込んでいたので、これは重要な気づきでした。 ②狭小筆問題:単独では建てられない土地の存在 この物件は土地2筆で構成されており、そのうちの1筆は約10㎡と非常に小さい。 Claudeの指摘によれば、この小さな筆は単独では建築基準法上の接道要件を満たさない可能性があります。つまり、2筆一体での売買が前提となり、買主が銀行融資を受けにくくなる場合があるというのです。売却時の価格交渉に影響しうる要素だと教えてもらいました。 ③容積率の消化率問題:建替え余地がほぼない現実 土地約37㎡に容積率160%を掛けると、最大延床面積は約59㎡。現在の建物の延床面積もほぼ同じ約60㎡です。 つまり、建替えても今と同じ大きさの建物しか建てられない。増床の余地がなく、買主にとっては「将来の改築の自由度が低い物件」と映るかもしれません。中立〜やや不利な材料として認識しておく必要があると指摘されました。 CoworkへのスクリプトとAI自律作業 7つのタスクが整理されたところで、Claudeが生成した調査スクリプトをCowork(AIが自律的に作業を実行するツール)に投入しました。 Coworkは指示に従い、以下の作業を自律的に実行してくれました。 不動産ポータルサイトから近隣の売出し事例を収集 成約事例をもとに㎡単価を算出 路線価・公示地価と実勢価格の乖離を比較 法的減価要因(道路問題・狭小筆・容積率)の一覧化 エリアの市況動向・再開発情報の収集 木造建物の残存価値(築年数ベース)の計算 以上を統合した「3段階査定価格レンジ」の算出 出来上がったレポートを見たとき、率直に言って素晴らしさにビックリしました。 根拠となるデータが明示されており、「なぜこの価格帯なのか」が読めばわかる構成になっていました。業者の査定書とは違い、営業的な色付けが一切ない。純粋に「この物件の市場価値はこのくらい」という情報として受け取ることができました。 従来の不動産査定との比較 改めて、業者による査定とAI査定を比べてみます。 比較項目 業者査定 AI査定(Claude+Cowork) 費用 無料 無料〜低コスト 営業 避けられない ゼロ 根拠の透明性 不明瞭なことも データと根拠が明示 スピード 数日〜1週間 数時間 自分のペース 業者のペース次第 完全に自分主導 売却交渉 対応可能 不可(別途専門家が必要) もちろん、AI査定には限界もあります。実際の売却交渉や契約手続きは、宅地建物取引士などの専門家に依頼する必要があります。また、AIが収集できる情報には限りがあり、現地調査は人間にしかできません。 ...

April 23, 2026

第二種奨学金は固定と変動どっち?固定がついに上限3%に到達【2026年8月最新】

今年4月、娘が大学に進学した。入学の喜びも束の間、奨学金の申請手続きを進める中で、ふと手が止まった瞬間があった。 画面に表示されたのは、「利率固定方式」か「利率見直し方式」を選んでくださいという一文。どちらにしますか、と聞かれても、そもそも何が違うのかよくわからない。ざっと読んでみても、難しい言葉が並んでいるだけでピンとこない。 「これ、なんとなくで決めていいのかな?」 同じような迷いを抱えている保護者や学生も多いのではないかと思い、自分なりにJASSOの公式サイトをじっくり読み込んで調べた内容をまとめることにした。結論から言うと、調べれば調べるほど意外とシンプルな構造だとわかってきた。 先に結論(忙しい人へ) 第二種奨学金の「固定」と「変動(利率見直し方式)」は、どちらも上限が年3.0%で同じ(基本月額の場合)。 そして2026年7月、固定方式がついに上限ちょうどの3.000%に到達しました。同じ月の変動は**2.000%**です。 つまり今は、固定を選ぶ=制度上いちばん高い利率を確定させることになります。上がる余地はもうありません。 変動の天井も同じ3.0%。最悪でも固定と同じところまでしか上がらず、それまでは固定より低い——という関係になっています。 300万円を20年で返す試算では、変動が最悪シナリオでも固定より約15万円お得(楽観なら約35万円)。 ただし「毎月の返還額を最初から1円まで確定させたい」なら固定にも意味はあります。 わが家(第二種)は、最終的に変動を選びました。 以下で、その根拠を数字と試算でくわしく見ていきます。 1. そもそも:利子がかかるのは「第二種奨学金」だけ まず前提の整理から。JASSOの奨学金には大きく2種類ある。 第一種奨学金:無利子。成績や家計に一定の基準がある 第二種奨学金:有利子。基準は第一種より緩やか わが家が申請したのは第二種なので、利子がかかる。だからこそ「どちらの金利方式を選ぶか」が重要な問題になってくる。 この記事は第二種奨学金の利率方式の選択に絞った内容だ。第一種の方はそもそも利子がないので、この選択は関係ない。 2. JASSO奨学金の「固定」と「変動」、何が違うの? 「まず制度をちゃんと理解しよう」と思い、JASSOの公式サイトを読み込んだ。ざっくりまとめると以下の通りだ。 比較項目 利率固定方式 利率見直し方式(変動) 利率の決まり方 貸与終了時点の利率で固定 貸与終了時点の利率で決定後、約5年ごとに見直し 見直し頻度 なし(全期間固定) 約5年ごと 金利上昇時のリスク なし(固定のため影響を受けない) あり(上昇すると返還額が増える) 金利低下時のメリット なし(固定のため恩恵を受けない) あり(低下すると返還額が減る) 上限金利 年3.0% 年3.0% 表を見ていて、ひとつ重要なことに気づいた。 「どちらを選んでも、上限金利は年3.0%」 これが、この問題を考えるうえで最も大切なポイントになる。 3. 今の金利、実際どのくらい?JASSO奨学金の利率推移 制度の仕組みはわかった。では実際の数字はどうなのか。JASSOの公式サイトで利率の推移を確認した。 以下は近年の貸与利率の推移(概算・参考値)だ。 年度 利率固定方式(概算) 利率見直し方式(概算) 2020年度 約0.03% 約0.005% 2021年度 約0.03% 約0.005% 2022年度 約0.03% 約0.004% 2023年度 約0.20% 約0.10% 2024年度 約1.30% 約0.50% 2025年度 約2.00% 約0.90% 2026年1月 約2.512% 約1.10% 2026年4月 2.722% 1.874% 2026年5月 2.922% 2.000% 2026年6月 2.922% 1.900% 2026年7月 3.000%(上限到達) 2.000% ※2026年4月以降はJASSO「令和8年度 貸与利率一覧」より、**その月に貸与終了した人(基本月額・平成19年4月以降の採用者)**に適用される利率。2025年度以前は参考値。 ※医歯薬系などで月額を増額した場合の「増額部分」には、別途0.2%が加算されます(2026年7月は固定3.100%・変動2.200%)。 ...

April 23, 2026